
ESP32-C5を使い、ドローン向けの5.8 GHzアナログFPV映像を受信して、ゴーグルなどに出力するプロジェクトが公開されています。Wi-Fi用の無線回路で信号を受信し、6本の抵抗で構成した簡易DACで映像信号に戻します。デジタル映像とは異なるFM方式の信号を、汎用マイコン基板で扱う取り組みです。
ESP32-C5で受信から映像出力まで処理
受信機にはSeeed Studio XIAO ESP32-C5を使い、追加の無線部品なしで映像信号を受信します。受信したFM信号を復調し、CVBSと呼ばれるアナログ映像信号に変換して、ゴーグルやモニターへ出力します。
出力には6ビットの抵抗ラダーDACを使います。基板の6つの端子に抵抗を接続し、各端子からの信号を1つの出力点に集める方式です。出力点には負荷抵抗も接続します。
この仕組みでは、抵抗の値と接続順が重要です。値の大きい抵抗をD4、最も小さい抵抗をD9につなぎます。順番を入れ替えると、映像が帯状に乱れることがあります。
FM信号から映像を取り出す仕組み
アナログFPVでは、カメラ映像をNTSCまたはPALの信号としてFM変調し、一般に使われる5.8 GHz帯などの搬送波に載せて送信します。FM変調は、映像信号に応じて電波の周波数を変化させる方式です。
受信側では、FM復調によって周波数の変化を映像信号へ戻します。復調後の信号には、画面の各行の開始位置を示す水平同期信号や、色を扱うための情報が含まれます。
信号を行ごとの画素データに並べ直し、同期を取って画像に戻します。NTSCとPALでは行あたりのサンプル数などが異なり、色の復元には白黒画像の復元より複雑な処理が必要です。
操作と映像出力の調整
受信機はBOOTボタンと画面内メニューで操作します。メニューでは周波数帯やチャンネルの切り替え、48チャンネルのスキャン、映像方式の選択などができます。スキャンではアナログ映像信号の強いチャンネルを選びます。
出力レベルは0.5倍から5.0倍まで調整でき、設定を保存できます。レベルを上げると映像が明るくなる場合がある一方、信号の一部が出力範囲を超えることもあるため、接続先の表示機器で確認する設計です。
初回起動時には受信機を校正し、測定結果を保存します。次回以降の起動では保存済みの測定値を使い、必要な項目だけを再測定します。校正は地上で行う操作として案内されています。
実機での検証状況と遅延
受信機は映像を保ったまま、信号の偏りや受信状態を監視できます。利得設定やフィルターの選択に加え、映像が途切れた理由を確認する診断機能も備えています。
フィルターの帯域選択にはシミュレーションに基づく部分があり、基板での検証は保留中です。受信状態に応じて飛行中に設定を変える機能は再ロックなどを伴うため、実機での確認状況と区別して扱う必要があります。
アナログFPVは映像をデジタル圧縮せずに伝送するため、デジタル方式のように受信状態が悪くなったとき突然映像が失われる「デジタルの崖」がありません。ただし、Hackadayは、このESP32-C5受信機でSDR処理が遅延に与える影響を、実用性に関わる論点として挙げています。









