
ベトナム最高人民検察院は、アニメなどの海賊版配信サイト「HiAnime」の運営に関与したとされる7人を著作権侵害で起訴し、うち4人にはマネーロンダリングの罪も適用しました。検察側は、広告収入として受け取った12.85百万USDTを複数の暗号資産ウォレットを経由させ、不動産や自動車の購入に使ったとしています。ハノイ人民法院で審理される予定ですが、開廷日は公表されていません。
広告収入を得る配信網を運営
起訴状によると、グループは2019年ごろにサイトの構築を始め、テレビシリーズ26,000作品とアニメ7,500作品を無断で複製・配信したとされています。運営網にはHiAnimeのほか、Zoro、Aniwatch、Sflix/Myflixerz、9animetvが含まれていました。
起訴された7人のうち、4人は著作権侵害とマネーロンダリング、残る3人は著作権侵害の罪に問われています。検察側は、中心メンバーがサイトの企画、サーバー管理、プログラミング、デザインや広告収入の分配を担い、ほかの関係者が映画の複製や利用者対応などを支援したとしています。
創設を主導したとされるグエン・ディン・ミン・コアは、100を超えるドメインを購入し、検索エンジン最適化や広告掲載を担当したとされています。サイトにはPropeller Adsの広告が掲載され、収入はアクセス数に応じて支払われたと起訴状は認定しています。Googleから著作権侵害の警告を受けた後も、運営者らはサイトのアドレスを変えて配信を続けたとされています。
12.85百万USDTを換金し資産を購入
検察側によると、グループはPropeller Adsから合計12.85百万USDTを受け取り、これは12.85百万米ドル、約315.3兆ベトナムドンに相当します。USDTは米ドルに連動するステーブルコインで、暗号資産ウォレット間を移動した後、取引所などを通じてベトナムドンに換金できます。
起訴状では、コアが2.5百万USDT、グエン・ホアン・タインが10.35百万USDTを受け取ったとされています。検察側は、4人がUSDTを複数のウォレットに移し、売却してベトナムドンに換えたうえで、個人口座へ送金したとしています。換金時の手数料や着金までの時間は利用する経路によって異なります。
運営費を差し引いた利益について、コア、グエン・チュン・アイン、グエン・ディン・スアンはそれぞれ500億ドン、タインは513億ドン超を得たと検察側は認定しました。コアはポルシェ、メルセデス・ベンツGクラス、ランドローバーなどの購入に計244.5億ドン超を使ったとされます。ほかの3人についても、車や住宅の購入に収益を使い、一部の車両を家族名義にしたとされています。
先行する海賊版事件と米国の調査
ベトナムでは、HiAnimeの事件に先立ち、海賊版配信網Fmoviesの運営者2人が裁判を受け、執行猶予付き判決となりました。米通商代表部(USTR)は、両被告に約2,700ドル(約43万円)と770ドル(約12万円)の罰金、および権利者への約35,000ドル(約550万円)の賠償が命じられたと報告しています。同機関は、海賊版事業への抑止には、より重い刑事罰や収監を求める必要があるとの立場を示しました。
USTRは2026年4月、知的財産権の保護・執行をめぐる懸念から、ベトナムを「優先外国国」に指定しました。同機関はその後、米通商法301条に基づく調査を開始し、ベトナムの知的財産関連の措置が米国の商取引に与える影響を調べています。調査の完了後、USTR代表が対応措置の要否を判断するとしています。
この調査は、外国政府の措置が米国の商取引を不当に制限しているかを検討するものです。調査結果を受けて関税などの措置が取られる可能性はありますが、USTRは具体的な対応を調査後に決めるとしています。ベトナム側は、著作権侵害への取り締まりを進めている事例としてHiAnime事件を挙げています。







