
ISSから見えた夜空の光跡
2026年4月27日、国際宇宙ステーション(ISS)から、西アフリカ上空を流れる火球が撮影されました。光の尾は伸びた後に複数の光点へ分かれ、ロシアのソユーズロケットの残骸が再突入した可能性があります。撮影された光の由来は特定されていません。
NASAのクリス・ウィリアムズ飛行士は、ISSの観測窓「キューポラ」から地球を見ていた際、真下に明るい物体を見つけました。連続写真は30〜40秒間隔で撮影され、尾が伸びて小さな光点に分かれる様子を記録しています。
ウィリアムズ飛行士が当初探していたのは、補給船プログレス95でした。プログレス95は同日、ISSにドッキングしており、火球そのものが補給船だったわけではありません。
火球の正体は特定されていない
プログレス95は4月25日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられました。船は食料、燃料、物資約3トンを運び、約6カ月間ISSに滞在する予定です。
打ち上げ後、ロケットのフェアリングやブースターは予定どおり地球へ落下します。今回の光は、打ち上げに使われたロケット本体、別のロケット段、衛星などの人工物、または大気に入った流星物質に由来する可能性があります。
NASAの担当科学者は、カメラが向いていた正確な位置が分からないため、発生源を断定しにくいとしています。
再突入で破片が光る仕組み
軌道上の物体は大気の密度が高い領域に入ると、空気との相互作用で加熱され、機械的な負荷も受けます。この過程で物体は分解し、蒸発することがあります。
人工の宇宙物体が再突入するときは、地面とほぼ平行に進み、光る尾を引きながら複数の破片に分かれる場合があります。The Aerospace Corporationは、こうした再突入は通常20〜90秒以上続く一方、流星は数秒以内に見えなくなることが多いとしています。
人工物の再突入速度は秒速約7キロメートルです。流星は地球が太陽の周りを進む速度も関係し、秒速約30キロメートルで地球に衝突する場合があります。ただし飛行角度によって見え方は変わり、時間や光跡だけで正体を決められるとは限りません。
大気に残る金属粒子
再突入で蒸発した人工物の金属は、上空で冷えると微粒子になることがあります。2023年の研究では、成層圏の硫酸エアロゾル粒子を調べ、宇宙機由来とみられる20種類を超える元素を検出しました。元素の比率は、宇宙機に使われる合金と整合していました。
同研究では、直径120ナノメートルを超える硫酸粒子の約10%に、アルミニウムなど再突入由来の元素が含まれていました。リチウム、アルミニウム、銅、鉛については、再突入由来の質量が宇宙塵から供給される量を上回ると報告されています。
衛星の増加が続けば、将来は成層圏の硫酸粒子の最大半数に再突入由来の金属が含まれる可能性があります。一方、その量の金属が成層圏エアロゾルの性質に及ぼす影響は分かっておらず、研究論文は今後の影響を未確定の課題として挙げています。











