Kubota North Americaと農業自動化ソフトウェア企業Agtonomyは、果樹園やナッツ栽培向けの自律走行トラクター「M5L」を発表しました。M5Lを含むパイロット計画では、散布や草刈り、樹下の耕作などへの対応を進めます。北米の農業者は2027年納入分を予約注文できます。
果樹園向けに拡大する自律化計画
両社はFIRA USAでM5Lを披露し、自律走行トラクターに関する協業の次段階を始めました。今回の取り組みでは、M5低床型ディーゼルトラクターを対象にパイロット段階を拡大します。
M5Lは、狭い畝での作業に向けたM5Nに続くモデルです。Agtonomyが自律化する機種としては3機種目にあたり、先行する機種にはBobcat CT4045小型トラクターとKubota M5Nがあります。
M5Lの低い車体と大きなリフト能力は、果樹園やナッツ栽培の作業を想定しています。対象作業には、散布、衛生管理のための草刈り、樹下の耕作が含まれます。
M5Nと共通する自律化技術
M5Lに搭載する技術スタックはM5Nと同じですが、車体の設計や形状に合わせて部品の配置を変えています。たとえば、センサー群はM5Nではロールバーの上、M5Lではロールバーの下に配置されています。
Agtonomyが2025年に説明した第3世代プラットフォームは、カメラ画像を使う視覚ナビゲーションと組み込み型の通信を組み合わせています。同社によると、対応機は携帯電話回線とStarlinkを使い、現地基地局や手動走行による経路記録なしで自律運転できます。
Agtonomyによると、3D衛星画像が利用できる場所では、同プラットフォームを使って作業場所を遠隔で設定できます。
遠隔操作と作業状況の把握
Agtonomyが2023年に紹介したTeleFarmerは、トラクターを遠隔操作するソフトウェア、作業を計画・実行するアプリ、基準車両で構成されていました。Agtonomyは2025年の発表で、第3世代プラットフォームは以前TeleFarmerと呼ばれていたと説明しています。
Agtonomyは、TeleFarmerのソフトウェアに同社独自のTrunkVisionを搭載し、特殊作物の列に沿ってセンチメートル単位の精度で走行できるよう支援すると説明していました。アプリでは散布や草刈り、収穫物の運搬などを計画し、機材の状態や作業の進み具合を確認できます。
アプリは、問題が起きた際の通知や遠隔での対応に必要な情報も提供します。Agtonomyによると、第3世代プラットフォームでは1人のオペレーターが10台以上のトラクターを管理できます。
M5Lの作業能力と納入予定
M5L-111はKubota V3800エンジンを搭載し、出力は114馬力です。変速段数は前進・後進ともに32段で、クリープオプションを組み合わせると前進・後進ともに48段になります。
標準の最大揚力は1,750キログラムで、オプションのアシストシリンダーを付けると2,175キログラムです。最大油量は毎分67リットルです。
M5Nの出力は106馬力、揚力は1,500キログラムで、最大油量は毎分63リットルです。M5Lは揚力と油量の仕様が異なり、果樹園やナッツ栽培の作業に対応するモデルとして発表されました。
北米の農業者向けにM5Lの予約注文が始まっており、納入は2027年の予定です。Kubotaの販売店による支援も、導入した技術を既存の作業工程へ組み込む取り組みに含まれています。











