
LattePandaは、Intel Core Ultra X7 358HとArc B390を搭載するシングルボードコンピュータ「LattePanda Sigma 2」を発表しました。最大64GBのメモリを備え、35B級の大規模言語モデル(LLM)のローカル実行を想定しています。予約販売価格は2,599ドル(約41万円)で、販売期間終了後は2,799ドル(約44万円)です。

35B級モデルを動かすメモリ構成
Sigma 2は146×102mmの基板に、最大64GBのLPDDR5X-8533メモリを搭載します。そのうち最大59GBをAI処理用のVRAMとして割り当てられます。メモリ帯域は136.5GB/sで、CPU、GPU、NPUを合わせたピークAI性能は最大180TOPS(INT8)です。

Qwen3.6-35B-A3Bは、総パラメータ数が約35Bで、1トークンの処理に使う活性パラメータは約3BのMoEモデルです。MoEは、複数の専門家ネットワークから一部を選んで計算する仕組みです。ただし、計算に使う部分が約3Bでも、モデルの重み全体をメモリに配置する必要があります。
KVキャッシュは、会話や入力の文脈を保持するメモリ領域で、扱うトークン数が増えると必要量も増えます。Sigma 2は、35B級の量子化モデルと長い文脈に必要なKVキャッシュを収められる構成として、最大59GBのVRAM割り当てに対応します。モデルの重みだけでなく、長文脈を扱うローカルAIエージェントも想定した設計です。
ローカル推論と拡張機能
LattePandaによると、INT4量子化とOpenVINOを使い、Qwen3.6-35B-A3BをSigma 2上で約30トークン毎秒実行できます。OpenVINOは推論処理向けのソフトウェア基盤で、llama.cppやOllamaにも対応します。CPUは16コア、16スレッドで、Arc B390 GPUは12 Xeコアを備えます。
AI処理を拡張する接続手段として、M.2 M-Key、OCuLink、Thunderbolt 4を用意しています。OCuLinkはPCIe 4.0 x2接続で、M.2 M-Keyは3基を搭載します。これらのスロットやポートを使い、対応するAIアクセラレータなどを追加できます。
オンボードSSDにはUbuntu、GPU・NPUドライバー、OpenVINO Model Server、OpenClaw、ローカルAIモデルがプリインストールされます。OSはWindows 11とUbuntu 24.04以降をサポートします。ローカル推論APIも備え、クラウド推論に頼らないAIシステムの構築を用途に挙げています。
センサー制御と接続端子
Sigma 2にはRP2350マイコンも搭載され、GPIOを通じてセンサーやアクチュエーターを制御できます。I2C、SPI、UART、アナログ入力に対応し、AI処理を担うプロセッサとは別にハードウェア制御を実行します。RP2350にはMicroPythonのファームウェアがプリインストールされています。
ネットワーク端子は10GbEを2基備え、USB 3.2 Gen 2 Type-Aを2基、USB 2.0 Type-Aを2基搭載します。映像出力にはHDMI 2.1とeDP 1.5があり、Thunderbolt 4は2基です。M.2にはストレージや無線モジュールも接続できます。
小型基板にAI推論と周辺機器制御をまとめ、自律移動ロボット、画像処理システム、計測機器、社内でデータを保持するAI機器などへの組み込みを想定しています。LattePandaは製品ライフサイクルを3年以上保証し、起動ロゴやBIOSのカスタマイズ、組み込み案件へのエンジニアリングサポートも提供します。
価格と販売時期
予約販売期間は11月中旬までで、期間中の価格は2,599ドル(約41万円)です。終了後は2,799ドル(約44万円)となります。










