
試験ではなく日常の利用から技能を判定
Microsoftは、GitHub Copilotの利用状況をもとに技能を認定する「Microsoft Pro Badge: GitHub Copilot」の提供を始めました。別途の試験や学習ガイドはなく、利用者が参加に同意すると、日々の製品利用から習熟度が算定されます。認定は無料で、従来のMicrosoft認定資格に加わる新しい種類の資格です。
習熟度は「Beginner」「Intermediate」「Proficient」「Advanced」「Expert」の5段階です。開始時点で利用できるのは最初の3段階で、Proficientに達するとバッジを取得できます。AdvancedとExpertの評価とバッジは今後の優先課題で、対応後は該当する利用者のバッジが自動的に上位段階へ更新される予定です。
Microsoftのコンテンツ・インサイト担当ゼネラルマネジャー、キャメロン・パーシー氏は、Pro Badgeは試験日の結果ではなく、仕事で製品をどう使うかを示すものだと説明しています。Microsoftは、職種や分野に必要な幅広い問題解決能力を示す認定資格と、特定製品の日常的な利用を示すPro Badgeを組み合わせ、技能を伝える仕組みにしています。
利用の広さや深さを継続して評価
評価はGitHub Copilotの利用量だけで決まるのではなく、GitHub.com、統合開発環境(IDE)、コマンドライン、モバイルでの利用の広さと深さを基準に算定します。Microsoftによると、日常の利用から得られる根拠をもとに習熟度は自動更新され、過去の利用が古くなるにつれて現在のレベルが維持、上昇、または低下する場合があります。
Proficientの基準には、GitHub Copilotのウェブ機能やIDE機能を使い、適切なモデルを選び、プロジェクトに応じてカスタマイズする能力が含まれます。また、複数のリポジトリで一定期間にわたり実際のプロジェクトに取り組み、よくある状況で一貫して使うことも評価対象です。利用を重ねる中で習熟度が判定されるため、評価結果がすぐに表示されるとは限りません。
GitHub Copilotで選べるAIモデルは、利用する画面や契約プラン、組織の管理者設定によって異なります。モデルごとに応答速度や複雑な推論への適性などが異なり、利用者は作業に応じてモデルを選ぶか、自動選択を使えます。IDEのエージェントモードでは、依頼を受けたCopilotが編集対象のファイルを選び、コードを変更し、必要に応じてコマンドを提案して作業を進めます。こうした機能の使い分けも、Pro Badgeの評価対象となる製品利用の一部です。
参加と共有は利用者が選ぶ
Pro Badgeの算定は任意で、利用者が参加を選ぶまで始まりません。Microsoftによると、評価結果は初期設定で非公開となり、共有先は利用者本人が決めます。評価ではソースコード、入力したプロンプト、知的財産を確認しないとMicrosoftは説明しています。
バッジを取得した利用者はCredlyでデジタルバッジを受け取り、希望すればLinkedInで共有できます。LinkedInの連携機能を使い、GitHubが検証した能力をプロフィールに加えることも可能です。いずれも自動公開ではなく、利用者が共有先を選びます。
参加には個人のGitHubアカウントを使います。Microsoftによると、企業が管理するEnterprise Managed Userアカウントは提供開始時点では対象外で、対応は優先課題です。評価結果をプロフィールに載せるかどうかも利用者が決めるため、取得と公開は別々に選択できます。
他の資格や採用での扱い
Microsoft Applied Skillsは、特定の業務上の課題やシナリオに必要な技能を対象とする資格です。取得者は評価ラボでの実績によって認定され、職種に必要な幅広い技能を扱う認定資格とは評価範囲が異なります。Pro Badgeは試験やラボ評価ではなく、GitHub Copilotを日常的に使う過程から習熟度を算定する点で、両者と区別されます。
デジタルバッジの採用での扱いについて、1EdTech Foundationが2021年に米国の人事担当者750人を対象に行った調査では、87%がデジタルバッジを知っており、48%は候補者の選考で見たり、保有者を採用したりした経験があると回答しました。一方、回答者の半数はバッジについてよく知らないか、聞いたことがないと答えています。この調査では、技能をより正確に測り、習熟の証拠を示すことへの期待も確認されましたが、その利点は実現済みではなく、今後の可能性として捉えられています。
同調査では、回答した人事担当者の34%が、学位への依存を抑えて能力を重視する採用方針を実施中と答え、42%は導入を検討中と答えました。この調査はデジタルバッジ全般を対象としており、Pro Badgeの採用での評価を直接測定したものではありません。











