Nvidia CEO Jensen Huang is recognized by President Donald Trump during remarks at the White House AI Summit at Andrew W. Mellon Auditorium in Washington (54677035268)
写真: The White House / Public domain / Wikimedia Commons

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、2029年までにメモリーが供給過剰になる兆候は見ていないとCNBCに語りました。AI向け需要が続くとの見方を示す一方、メモリー関連株は供給増への懸念から下落しており、供給と需要の見通しが市場の焦点になっています。

2029年の供給過剰懸念に対するフアン氏の見方

メモリー関連株は、韓国の新聞に掲載された論説が2029年の供給増と市場の低迷を予想した後、下落しました。論説は、新たな供給が増えれば市場が過当競争に陥る可能性を挙げていました。

これに対しフアン氏は、メモリーは「いつでももっと使える」と述べ、HBM(高帯域幅メモリー)は今後も使われるとの見方を示しました。メモリーはNVIDIAのチップを構成する部品であり、供給過剰になればメーカーの価格や利益率に影響する可能性があります。

中国のメモリーメーカーCXMTが新しい設計を発表したことも、既存メーカーからシェアを奪うとの懸念につながりました。フアン氏はCXMTとの協業や製品採用について「オープンマインド」と述べ、中国の製造能力を重視する考えを示しました。

AIデータセンターで異なるHBMとLPDDRの役割

HBMはAIアクセラレーターが大量のデータへ高速にアクセスするためのメモリーです。LPDDRはスマートフォンなどで使われてきた低消費電力のDRAMで、AI推論ではHBMを補完し、メモリー容量を拡張するためにも使われます。

大規模言語モデルの推論では、処理済みのキーと値を保存するKVキャッシュが、長い文脈や同時利用の増加に伴って大きくなります。HBMには生成中に使うデータを置き、LPDDRには再利用の可能性があるKVキャッシュを移す構成です。

MicronとMetaは、AIデータ処理や一般的なデータセンター処理のワークロードでLPDDR5Xを評価しました。メモリー容量を増やした構成では、Spark SQLの処理でディスクへの退避がなくなり、スループットが2〜3倍になりました。

Micronが示す供給逼迫の見通し

Micronは、メモリーとストレージの需給が2027、2028会計年度も逼迫すると見込んでいます。同社の2027年向けHBM生産の大半は顧客向けに確保され、長期供給契約の額は6月の220億ドル(約3兆5,000億円)から320億ドル(約5兆円)に増えました。

Micronのサンジェイ・メロトラCEOは、同社の2027年生産量の75%超がすでに確保され、顧客との協議は2028年分にも及んでいると述べました。同社は今後2年間にDRAMとNANDの業界出荷が約20%増えると見込む一方、AI企業の需要が生産を上回ると見ています。

増産計画があっても、供給がすぐ増えるとは限りません。メロトラ氏は、新しいクリーンルームの建設に時間がかかり、稼働後も生産量は段階的に増えると説明しました。

AI需要と増産計画が交差する時期

HBMの生産には一般的なDRAMと同じウェハー生産能力が使われるため、HBM向けの増産がほかのDRAMの供給を圧迫する可能性があります。Equitiは、Samsungが来年、HBMは業界のDRAMウェハー能力の約30%を占めると予想しています。現在の約20%からの上昇です。

Micronは設備投資を進め、米国・日本で製造拠点を拡張する計画です。新設備の生産量が顧客向けに結びつくまでには、建設、装置導入、認定の工程があります。