OpenAIのサンフランシスコのオフィスで、会議室のテレビに録音装置が取り付けられていたとして、従業員が逮捕・起訴されました。Gizmodoは、司法省が公表した情報をもとに、装置をSeeed Studioの小型開発ボード「XIAO ESP32-S3 Sense」と特定しています。
OpenAI会議室で見つかった録音装置
司法省によると、OpenAIの担当者は9月30日、サンフランシスコにあるオフィスの幹部会議室で、テレビ背面のUSBポートに差し込まれた録音装置を発見しました。装置はトイレットペーパーに隠されていました。司法省は、9月28日ごろに設置されたとする訴状の内容を公表しています。
司法省は、従業員のアブドゥルラフマン・アルフォザン氏が、口頭での通信を傍受する装置を使った、または使おうとした容疑で逮捕・起訴されたと発表しました。同氏は10月9日に逮捕され、10月13日に連邦裁判所へ初出廷しました。
会議室では、研究、製品計画、事業開発、技術上の進捗や戦略判断などの機密情報が話し合われることがあったと、司法省は訴状の内容として説明しています。訴状では、アルフォザン氏に会議室への出入り権限がなく、装置の発見前に複数回その近くにいたとも主張されています。
小型ボードの機能と装置の識別
XIAO ESP32-S3 Senseは、マイク、カメラ、無線通信機能を備えた開発用ボードです。2.4GHz Wi-Fiに対応し、デジタルマイクとSDカードスロットを搭載しています。
同ボードにはESP32-S3プロセッサーと、8MBのPSRAM、8MBのフラッシュメモリーが搭載されています。PSRAMは作業用のメモリー、フラッシュメモリーはプログラムなどを保存する領域です。
Gizmodoは司法省の公表情報をもとに、会議室で使われたとされる装置をこのボードと判断しました。司法省は訴状で装置を「Recording Device 1」と呼んでいます。
録音データの扱いと無線機能
ボード上のデジタルマイクは音声入力に使え、SDカードスロットはデータの保存先になります。この小型ボードには、録音・保存に使う入力部品と記録領域に加え、無線通信機能も備わっています。
録音例では、マイクから音声を取り込み、WAV形式のファイルをSDカードへ保存します。設定例では録音時間は5秒、サンプリングレートは毎秒16,000回で、ボタン操作を録音開始のきっかけにしています。
司法省は、発見された装置の内容が暗号化されていたと公表しました。また訴状では、アルフォザン氏の配偶者に関連づけられたチャットボットアカウントから、連続録音、Wi-Fi接続、遠隔アクセス、SDカードの暗号化などに関する質問が送られていたと主張しています。
捜査で示された経緯
司法省によると、OpenAIの社内カメラ映像には、装置の発見前にアルフォザン氏が会議室付近にいた様子が記録されていました。訴状では、10月5日にテレビの背後をのぞき込むような姿も映っていたと主張しています。
司法省は、同じ10月5日に、別の部屋に置かれたアルフォザン氏のバッグから、最初に見つかった装置に似た別の録音装置が発見されたと発表しました。訴状によると、最初の装置はテレビの背面に差し込まれていました。
OpenAIは、装置に保存されたデータのフォレンジック画像を含むデータを自社のAIモデルで分析し、容疑者の特定に使ったとGizmodoに説明しました。司法省によれば、有罪となった場合、アルフォザン氏は最長5年の禁錮、25万ドルの罰金、3年間の保護観察付き釈放に直面します。










