
RustFS 1.0系と1.0.3の変更
RustFSは、S3互換のオブジェクトストレージサーバーです。2026年10月時点の1.0系では、Ubuntu NASに導入し、ブラウザーからバケットを作成したり、コマンドラインやWebDAVでファイルを扱ったりできます。 1.0.3は1.0.2のサーバーコードを維持し、内蔵コンソールを0.1.37へ更新しました。
1.0.3では、バケットのルート画面で重複する見出しを隠し、ベトナム語表示を追加したほか、削除済みオブジェクトの強調表示と絞り込みを改善しています。 リリース候補では、コンソールでのアップロード、ダウンロード、削除、バケットとフォルダーの移動、およびrc 0.1.36との互換性が確認されました。
Ubuntu 24.04 LTSのNASに導入する例では、データ用フォルダーを用意してインストールスクリプトを実行し、/etc/default/rustfsのアクセスキーとシークレットキーを変更してからサービスを再起動します。 初期値のまま使わず、変更後にコンソールへログインする手順です。
バケットとS3 APIでデータを扱う
オブジェクトストレージでは、ファイルなどのデータを「オブジェクト」としてバケットに格納します。RustFSのコンソールはポート9001で開き、設定したアクセスキーとシークレットキーでログインした後、バケット名を指定して作成できます。
RustFSはS3互換のREST APIを備え、AWS Signature Version 4(SigV4)で署名するAWS CLIやAWS SDKなどのクライアントから接続できます。 既定のパス形式では、URLのパスにバケット名、その後ろにオブジェクトのキーを置きます。 互換性テストでは、バケットの作成・削除・一覧表示や、オブジェクトの登録・取得・コピー・削除などが対象になっています。
大きなオブジェクト向けのマルチパートアップロードや、一覧表示、範囲指定での読み取りなども、RustFSの互換性テストに含まれます。 ただし、対応範囲はS3の全機能ではなく、バケットのアクセスログや所有権制御など、未実装として扱われる機能もあります。 アプリケーションから使う場合は、必要な操作を対象リリースで確かめることが前提になります。
rcとWebDAVから接続する
RustFSには、バケットやオブジェクトを操作するコマンドラインクライアント「rc」があります。例ではRustFSサーバーのポート9000を接続先として登録し、バケットへファイルをコピーした後、一覧表示でアップロードを確かめています。 Avahiによる名前解決は利用できず、接続先にはIPアドレスを指定する手順です。
WebDAVを有効にすると、GNOMEの「オンラインアカウント」にサーバーアドレスと認証情報を登録し、「ファイル」からRustFSへ接続できます。 有効化には設定ファイルへの項目追加とサービス再起動が必要で、既定ではWebDAVサーバーがポート8080で起動します。 接続先アドレスを変える場合は、専用の設定項目も指定します。
S3 APIは既定でポート9000を使い、パス形式ならDNS設定なしでバケットを指定できます。 RustFSは仮想ホスト形式にも対応しますが、その形式を使うにはサーバードメインの設定が必要です。 AWS CLIなどを利用する場合も、接続先エンドポイントや認証情報をRustFS用に設定します。
Resticをバックアップ先にする
Resticは、バックアップを保存する場所をリポジトリとして扱い、S3互換サーバーを保存先に指定できます。 接続先にはs3:http://サーバー:ポート/バケット名の形式を使い、アクセスキーとシークレットキーを環境変数で渡します。 RustFSと組み合わせる場合は、Resticの接続先をRustFSのS3エンドポイントとバケットに設定します。
リポジトリの初期化にはrestic initを使い、暗号化されたバックアップへのアクセスにはリポジトリのパスワードが必要です。 Resticの例では、保存したスナップショットを選び、restic restoreに復元先ディレクトリーを指定してファイルを戻します。 このため、バックアップ先の認証情報に加えて、リポジトリのパスワードも管理対象になります。
RustFSのS3互換性はすべてのAWS S3やMinIOの機能と同一ではなく、暗号化オブジェクトの形式も別のS3実装との間で移植できるとは限りません。 Resticで運用する場合も、利用する操作や暗号化の条件を確認し、復元手順を含めて対象環境で試す必要があります。











