
SHEINの発注を支えてきた広州・番禺区の縫製工場では、受注の伸び悩みや低い利益率を指摘する声が出ています。一方、同社は広東省で自動化物流拠点への投資を進めており、生産と物流の重心は「シーイン村」と呼ばれる地域から広がっています。
番禺の工場で受注が伸び悩む
広州市番禺区には、小規模な縫製工場が集まる「シーイン村」があります。2025年春には、米国の関税やベトナムへの生産分散を背景に、工場主らがSHEINからの発注減を語っていました。
その後、SHEINはベトナムの物流拠点を縮小しましたが、中国のサプライヤーに注文が戻りきったわけではありません。広州の工場経営者らは、受注が停滞しているか、わずかな伸びにとどまると述べています。
小ロットの注文と低い利益率も、工場側の負担として挙げられています。番禺の工場でSHEIN向け生産をやめた管理者は、注文が数十着単位のこともあり、利益率が低いため生産を続けにくかったと話しています。
生産先の分散と中国への回帰
SHEINは広州だけでなく、仏山、肇慶、江門など広東省内にサプライチェーン網を築いています。創業者の許仰天氏は、今後3年間で100億元を超える投資方針を示しました。
同社がベトナムで借りた物流施設は、当初の約15ヘクタールから約6ヘクタールに縮小されました。米国の小口輸入の免税措置が全ての国で終了したことなどで、ベトナムに生産拠点を置く関税上の利点が小さくなりました。
ベトナムに移ったサプライヤーの一部は中国に戻った一方、広東省の工場が一斉にSHEINの受注へ戻ったわけではありません。受注先をTemuやAmazonにも広げる小規模サプライヤーがいると報告されています。
販売データを小ロット生産につなぐ仕組み
SHEINは、自社ソフトウェアで販売状況を追跡し、工場へリアルタイムで伝えて小ロットを発注する仕組みを説明しています。サプライヤー向けソフトウェアは、受注処理、生産、品質管理、出荷などの工程をデジタルで管理します。
同社が説明する「LATR」は、新商品をまず100〜200点の小ロットで生産し、顧客の反応をリアルタイムで確認してから追加発注する仕組みです。商品が売れれば追加生産し、この試験販売と補充を多数の商品で行います。
SHEINは、初回生産から追加補充まで最短5日で行えるとしています。その運用を支えるものとして、サプライチェーン全体の連携と、在庫の回転や配送速度を整える国際物流網を挙げています。
増城の自動化物流拠点
広州市東部の増城区では、SHEINの大型物流拠点の建設が進んでいます。2024年9月に始まった第1期工事は、敷地面積約49万平方メートル、延べ床面積80万平方メートル以上で、投資額は36億9,000万元です。
倉庫、ピッキング、仕分け、出荷、決済までを一体化し、全工程を自動化する計画です。第1期の設計変更は2026年8月に当局の承認を受けました。
3期すべてが稼働した場合、輸出額は1,000億元を超え、ピーク時の雇用は約10万人になる見込みです。











