
欧州宇宙機関(ESA)と中国科学院が共同で運用する探査機「SMILE」が、地球の昼側に広がる北極のオーロラを紫外線で撮影しました。極域を最長45時間連続で観測し、太陽風と地球の磁気圏の相互作用を全体像として捉える計画です。

昼側の北極を囲むオーロラの輪
撮影されたのは2026年7月の観測で、紫外線画像には北極を取り巻く大きなオーロラの輪が写っています。画像では地球の昼側にオーロラが広がり、夜側は暗い宇宙を背景に見えます。オーロラは、太陽から飛来した荷電粒子が地球の磁力線に沿って極域へ進み、大気中の分子と衝突して光を放つ現象です。
SMILEの紫外線オーロラ撮像装置は、点灯から約2週間後にこの観測を行いました。撮影は観測機器の作動確認にもなり、ミッションは2026年9月に科学運用へ移りました。
最長45時間の連続観測で磁気圏を追う
SMILEは地球を周回し、北極上空約12万1000キロまで離れる軌道から観測します。ESAによると、計画上のミッション期間は3年間です。この軌道では北極のオーロラを最長45時間続けて観測できます。従来の観測は局所的な現象や個別の宇宙天気イベントを捉えるものが中心で、長時間の連続観測データは2008年以降不足していました。
観測時間が長くなることで、太陽活動に伴うオーロラの位置や明るさの変化を続けて記録できます。ESAは、紫外線で捉えるオーロラの変化が、太陽風に対する磁気圏全体の応答を知る手掛かりになると説明しています。探査機には紫外線撮像装置のほか、軟X線撮像装置、磁力計、軽イオン分析器が搭載されています。
軟X線で太陽風と磁気圏の境界を捉える
軟X線撮像装置は、太陽風のイオンと地球周辺の中性粒子が反応する際に生じる軟X線を検出します。この現象は電荷交換と呼ばれ、撮像によって太陽風が地球の磁気環境と接する領域を可視化する狙いがあります。紫外線によるオーロラ観測と組み合わせ、太陽風と磁気圏の相互作用を広域で調べる構成です。
SMILEは軟X線撮像装置の試験で、地球から約1万1000光年離れた超新星残骸カシオペヤ座Aを撮影しました。一方、地球に向けた場合は検出器が余分な光を拾う状態で、地球観測に使うには地上チームによる追加調整が必要です。











