高速道路の外にある拠点から自動発着

T2は、自動運転トラックが高速道路外の拠点から一般道と料金所を通って高速道路へ入り、別の拠点まで走る自動発着に成功しました。スマートフォンから発車を指示する実験も行い、新技術を搭載した車両を2027年1月から商用運行に順次導入する予定です。

実験は、有人運転と無人運転を切り替える拠点「トランスゲート」で実施されました。9月に、東名高速道路の綾瀬スマートIC付近から出発して高速道路へ合流する行程と、中国自動車道の西宮北ICから一般道を経て拠点に到着する行程を、それぞれ自動走行しました。

実験時の自動運転レベルは、ドライバーの監視が必要なレベル2です。運送事業者が高速道路外の切替拠点で自動発着技術を開発・実装した事例として、T2は国内初としています。

拠点の出入りと一般道での対応

大型トラックは内輪差が大きく、拠点の出入り口の幅が限られるため、T2は道路端や構造物から車体まで1メートル以上の間隔を取れる走行軌道を設計しました。軌道は数センチ単位で調整しています。

一般道では、車載センサーで前方60メートルの歩行者や自転車などを認識し、対象に合わせて追従または停止する仕組みを用いました。拠点の狭い出入り口と、歩行者や自転車がいる一般道の双方を含む行程で実験しています。

スマートフォンからの発車指示には、T2が独自開発したウェブアプリを使いました。レベル4の運行では、ドライバーが降車した後に拠点の作業員が無人のトラックを出発させる運用を想定し、実験では発車までの作業員の動作も確認しました。

レベル2からレベル4へ

自動運転レベル2では、車両が縦方向と横方向の運転を支援しても、周辺監視は運転者が担います。レベル4は、限定された条件の下で自動運転を行い、条件外でも車両が安全を確保する段階です。

国土交通省の整理では、レベル2で可能な機能には、運転者の監視下での自動車線変更などがあります。レベル4では無人運転が可能とされ、レベル2のように運転者が周辺を監視する形とは役割が異なります。

T2は2027年度以降にレベル4の自動運転トラックによる幹線輸送を目指しています。今回の発着実験はレベル2で行われており、レベル4の運行開始とは別の段階です。

切替拠点をつなぐ運行の課題

T2は2026年3月、レベル2のトラックで関東・関西間のおよそ500キロの高速道路本線を走り、ドライバーによる一時的なハンドル操作なしで完走しました。道路工事や合流などの場面では、従来は安全確保のため自動運転を止め、ドライバーがハンドル操作を引き継ぐことがありました。

高速道路上の自動運転と一般道での有人運転を切り替えるため、T2はインターチェンジ付近にドライバーが乗り降りする拠点を設けています。今回の実験では、その拠点から一般道を通って高速道路へ出る行程と、高速道路から一般道を経て拠点へ戻る行程をつなぎました。

自動運転車が安全に走行できる条件の範囲は「運行設計領域(ODD)」と呼ばれます。道路環境などがその範囲を外れると、運転者への制御引き継ぎや、車両を安全な状態にする動作が必要になる場合があります。

今回の実験時点では運転者の監視が必要で、T2は今後、故障や急な悪天候時に無人トラックを安全な場所へ退避させる技術を開発する方針です。作業員が他のトラックの運行状況を確認できるよう、発車指示に使ったウェブアプリの機能も追加するとしています。