
TCLの「P80 Ultra」は、同社の紙のような画面技術「NXTPAPER」とOLEDを初めて組み合わせたスマートフォンです。The VergeのDominic Preston氏は数週間使った感想として、マット加工による見やすさを評価し、折りたたみ式「iPhone Duo」の内側画面にも関心を持ったと述べています。

P80 UltraはNXTPAPERとOLEDを初めて組み合わせた
NXTPAPERは、マットな表面に加え、紙のような手触りや、電子ペーパーに近い表示を目指すモノクロモードを含むTCLの技術です。TCLは2021年にこの技術を投入し、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたフルカラーの紙のような表示を掲げています。

P80 UltraはNXTPAPERをOLEDパネルに採用した初の機種です。Preston氏によると、従来機では画面の見え方に妥協を感じることがあった一方、この機種はOLEDの黒の深さやコントラスト、色の豊かさを備え、NXTPAPERシリーズで最も見栄えのする画面だったそうです。

TCLによると、NXTPAPER技術は内蔵のマット層をナノエッチング技術で加工し、反射を抑える構造です。NXTPAPER Keyを使うと、通常表示とPaper Modeを切り替えられます。TCLは製品ごとに利用できる機能が異なると説明しており、P80 Ultraの仕様は同機種で利用できる機能に限られます。

マット加工は反射を散らし、暗部の見え方を変える
光沢画面は光を鏡のように強く反射する一方、反射像は比較的くっきり見えます。マット加工は反射を画面全体に広げるため、光の映り込みが目立ちにくくなる反面、黒が浮いて見え、暗い部分の深みが弱まる場合があります。

テレビの反射を評価するRTINGSによると、明るい部屋ではマット仕上げが反射の影響を抑える助けになります。RTINGSの評価対象はテレビで、スマートフォンでの見え方にそのまま当てはまるとは限りません。反射を散らすことと暗部の見え方が変わることは、表裏の関係にあります。
P80 UltraについてPreston氏は、明るさを上げたときや暗い部屋でも見やすく、反射を抑える効果は明るい環境で特に役立ったとしています。また、画面の表面は滑らかでサテンのような手触りがあり、指を滑らせても引っかかりにくかったそうです。
画面以外の使い勝手には課題もある
画面側には、側面の専用キーから起動するPaper ModeとMax Ink Modeがあります。Paper Modeでは色を抑えられ、アプリごとに通常表示を維持する設定もできます。Max Ink Modeはモノクロ表示に切り替え、多くのアプリやOS機能へのアクセスを制限して、読書向けの簡素な状態にします。
一方、Preston氏はP80 Ultraの動作が遅く、途切れることがあり、トリプルリアカメラの写真も平均的だったと評価しています。そのため、画面の魅力を認めながらも、スマートフォン全体としては積極的に勧められないとしました。
Preston氏はマットOLEDの長所と端末全体の完成度を分けて評価しています。画面は写真や動画にも適し、視野角も優れていた一方、処理性能やカメラは同じ水準に達していないとしています。
iPhone Duoでは内側画面にマット加工を採用
AppleはiPad Proで2024年からナノテクスチャガラスを選択肢として提供しており、iPhone Duoでは折りたたみ画面の内側にマット加工を採用しています。The VergeのPreston氏は、P80 Ultraを使った経験から、Duoの大きな内側画面とマット加工の組み合わせに期待を寄せています。
Preston氏が気にかけているのは、外側の画面にはマット加工がない点です。内側と外側を切り替える際に見え方の差が気になる可能性があると述べていますが、これはDuoを実際に試した感想ではなく、画面構成についての懸念です。
Duoの形状はSamsung、Xiaomi、Huaweiの端末にも見られるようになり、Motorolaも自社機種を予告しているとThe Vergeは伝えています。











