Teslaの特許が示すファン式ディフューザー
Teslaは、車体下の空気を電動ファンで吸い出す「Electric fan car」の特許を取得しました。特許は車種を限定していませんが、Carscoopsは高性能モデル、とくにRoadsterへの搭載可能性を挙げています。
車体下の吸気口から空気を取り込み、後部のディフューザーから排出する通路が仕組みの中心です。出口には電動ダクテッドファンが並び、隣り合うファンの間には縦向きの整流板が設けられます。
特許図面にはRoadsterではなくModel Sが描かれています。Markets Insiderは、Teslaが10月15日にRoadsterを披露する予定だと伝えています。
ファンが低速でもダウンフォースを生む仕組み
通常の空力部品は、走行風を受けて車体を路面に押し付ける力、ダウンフォースを生みます。翼などの受動的な部品は、十分な空気の流れがなければ効果を得にくいとCarscoopsは説明しています。
車体下の空気の流れを利用する考え方は、グラウンドエフェクトと呼ばれます。車体と路面の間の通路が狭まると空気が加速し、車体下の圧力が下がって、車体を路面側へ引く力が生まれます。
走行中は路面との境界層も車体下の空気の動きに影響し、空気の流れを速めて圧力を下げる作用を強めます。Teslaの特許方式ではファンが車体下の空気を引き抜いて低圧域を作るため、低速時にもダウンフォースを生み得るとMarkets Insiderは説明しています。
先行するファンカーとの違い
ファンで車体下の圧力を下げる発想は、Teslaが初めてではありません。1970年のChaparral 2Jは、車体側面のスカートで路面との隙間を小さくし、後部の2基のファンで車体下の空気を吸い出しました。
Chaparral 2Jのファンは、車両の駆動用とは別の2ストロークエンジンで動いていました。スカートはサスペンションと連動し、路面との距離を約1インチに保つ設計でした。これにより、低速でも車体下の低圧を維持できました。
McMurtryのSpéirlingも、ファンでダウンフォースを得る電動車です。同社は、ファンが毎分2万3000回転で動き、停止状態から最大2000キログラムのダウンフォースを発生すると公表しています。Teslaの特許方式は車体後部のディフューザーにファンを組み込む設計で、過去の車両とは空気の通路やファンの配置が異なります。
市販車への採用はまだ決まっていない
Markets Insiderによると、Teslaの特許図面には車両後部に4基のファンが描かれています。吸気口は後輪付近にあり、取り込んだ空気をダクトで後部のファンへ導いて、車体下の空気を抜き、低圧域を作ります。
Teslaの別の設計案には、車体後方へ流れる空気の無駄を抑える小型の側面吸気口もあります。ファンは車両の高電圧バッテリーから電力を得る想定で、運転者が手動で作動させる方法と、車両が自動で作動させる方法の両方が記されています。
特許を取得しても、量産車への採用が決まったわけではありません。Carscoopsは、実用化には搭載スペース、電力消費、騒音、耐久性が関わると指摘しています。TeslaはRoadsterなどの市販モデルにこのシステムを搭載すると発表していません。










