TrueNAS Proxmox Plugin: Open Storage for Open Hypervisor
出典: truenas.com

ネットワーク経由でファイルを保存・共有するNAS向けのLinuxベースOS「TrueNAS」の次期版、TrueNAS 27 RC.1が公開されました。Linux 6.18 LTSとストレージ管理・ファイルシステムのOpenZFS 2.4を採用し、検索、SSDとHDDの併用、障害時のファイル共有継続などを強化しています。TrueNASは正式版27.0を2026年12月上旬に公開する予定で、S3対応の新しいオブジェクトストレージ機能は早期アクセスとして提供します。

TrueNAS 26から27へ改称、年1回の主要リリースに移行

RC.1は正式公開前の最初のリリース候補版で、TrueNAS 26.BETA.3としてテストされてきた開発版を引き継ぎます。TrueNASは、多くの利用者が2027年に導入することと、利用する年に合わせた番号を求めるコミュニティの意見を踏まえ、名称をTrueNAS 27へ変更しました。改称による正式版の公開予定の変更はありません。

TrueNAS 27は、主要リリースを年1回とする体制への移行後、最初の版です。従来の年と月を組み合わせる形式を改め、主要版は多くの利用者が導入する年に合わせ、27.xの小数点以下の番号は月とは関係なく順番に付けます。TrueNASは正式版まで安定性の改善に注力し、本番環境への導入は27.0まで待つ方針を示しています。

サーバー側の検索とブラウザー経由のファイル共有を追加

新機能のTrueSearchは、TrueNAS内のファイル名、メタデータ、内容をサーバー側で索引化します。macOSの検索機能Spotlightと連携し、対応するSMB共有をFinderから検索できます。索引はTrueNASが事前に作成するため、Mac側でネットワーク上の共有領域を巡回する必要がありません。

WebShareは、ブラウザーからファイルへアクセスするためのインターフェースです。既存のアクセス権を維持したまま、メディアのプレビュー、保存状態を記録するスナップショットの閲覧、ファイルの共有や受け取りに対応します。ユーザーや権限を管理するActive Directoryとも連携し、WebShareとTrueSearchの利用にはTrueNAS Connectが必要です。

Fusion Pools 2.0はSSD上の保存領域とデータ移動を拡張

Fusion Poolは、SSDなどの高速な記憶装置と、大容量のHDDを単一のZFSストレージプールに組み合わせる構成です。ストレージを構成する単位であるvdevのうち、special vdevにメタデータや小さなファイルなどを配置し、大きなデータはHDD側に保存します。

このspecial vdevは、読み取り用のSSDキャッシュであるL2ARCとは役割が異なります。L2ARCはメモリー上のキャッシュを補うもので、故障してもキャッシュ内容が失われるだけですが、special vdevはメタデータなどの保存先そのものです。冗長性を失ったspecial vdevの故障は、プール全体のデータへのアクセスに影響します。

Fusion Pools 2.0では、従来のミラー構成に加え、冗長性を持つRAIDZ構成をspecial vdevで利用できます。また、同期書き込みを記録するログの保存先としてspecial vdevを使用でき、専用のログ装置がある場合はそちらが優先されます。TrueNAS Enterprise向けのLive Dataset Tieringは、クライアントの利用を中断せず、プール内のフラッシュ側と大容量側の間でデータブロックを移動する機能です。

EnterpriseのSMB共有はコントローラー切り替え後も継続

TrueNAS Enterpriseの高可用性構成は、同じストレージへアクセスする2台のコントローラーを備え、障害時にもう一方が処理を引き継ぎます。TrueNAS 27のステートフルSMBフェイルオーバーは、ファイル共有プロトコルSMBの接続状態を切り替え時にも維持し、再認証せずに既存のセッションや大容量転送を続けられるようにします。対象はEnterpriseの高可用性システムで、SMBサービスの設定から有効にします。

開いているファイルを障害後も維持する関連技術として、SMBを実装するソフトウェアSambaの4.25には、実験的な「Persistent Handles」があります。これはファイルへのアクセスを識別する情報と必要な状態を永続ストレージへ保存し、再接続時に開いていたファイルを復元する仕組みです。Sambaのこの機能はSMB専用の共有を対象とし、状態を同期的に保存する処理に伴って遅延が増えるため、継続的なファイルアクセスが必要な用途向けとされています。

OpenZFS 2.4で重複排除と暗号化を改善

TrueNASは、OpenZFS 2.4によって重複排除を伴う書き込みが最大25%高速化し、書き込み先の割り当て改善で断片化を減らすとしています。ユーザー、グループ、プロジェクトごとの既定の容量制限や、時間範囲を指定するデータ整合性検査にも対応します。

暗号化では、CPUのベクトル命令拡張AVX2に対応した処理が高速化されます。対象はAES-GCMという暗号方式の処理で、AMD Zen3 CPUを使う実装についても説明されています。TrueNASは、現在出荷しているすべてのEnterprise機器がAVX2に対応しているとしています。

Linuxカーネル6.18では、Broadcomのストレージ接続装置、PCIe Gen5スイッチ、新しいNVIDIA GPU向けのドライバーが更新されます。Linux上で分離した実行環境を提供するLXCコンテナーは正式サポートとなり、管理画面では問題の解決方法を示す通知、ユーザー管理、自動暗号化ドライブの操作も改善されます。

S3アクセスは全エディションで早期提供、正式運用への移行は2027年

TrueNAS Object Interfaceは、ZFSのデータセットにS3 APIでアクセスするネイティブサービスです。オブジェクトを格納するバケットをZFSデータセットに対応させ、SMB、NFS、WebShareと並行して同じ保存データへアクセスできます。スナップショット、容量制限、複製なども既存の管理画面から扱います。

RC.1では、分割アップロード、タグ、バケットとオブジェクトのアクセス制御、バージョン管理、変更を防ぐ機能などを提供します。全エディションで容量制限なく利用でき、外部ネットワークから隔離したオフライン環境にも対応します。ただし、バージョン管理とObject LockにはTrueNAS Connect Plusライセンス、またはTrueNAS Enterpriseシステムが必要です。

TrueNAS Object InterfaceはRC.1では早期アクセスとして提供され、TrueNASは利用者からのフィードバックを受けながら、2027年の正式運用段階への移行を目指しています。RC.1はダウンロードで提供されており、不具合は管理画面から報告できます。