
WhiteLabは10月6日、光で発電して動くバッテリ非搭載のスマートリング「ソーラーリングUWB」を開発したと発表しました。身体データの計測・自動送信に加え、手をかざさずに支払うタッチレス決済への応用を目指しています。製品化を見据えた動作可能なコンセプトモデルで、10月13〜16日に幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」で実機を展示します。
光で発電する指輪の通信方式をUWBに変更
ソーラーリングUWBは、指輪型の機器であるスマートリングに、UWB(超広帯域無線)という無線通信方式を採用しています。WhiteLabが2024年に発表した「ソーラーリング」と同じく、バッテリを搭載せず、光で発電して動作する構成です。従来モデルからの主な変更点は、通信方式を低消費電力のBluetooth LEからUWBへ切り替えたことです。
UWBは紛失防止タグや自動車のデジタルキーなどで使われていますが、Bluetooth LEより消費電力が大きく、バッテリを持たない指輪への搭載が課題でした。WhiteLabはUWBに最適化した回路を新たに設計し、世界で初めてUWB通信を実現したスマートリングだとしています。
健康管理では、体温などの身体データを計測し、自動送信する使い方を想定しています。決済では、財布やスマートフォンを取り出す操作に加え、手をかざす操作も不要にするタッチレス決済への応用を目指しています。
UWBの測距とBluetoothの距離推定
ソーラーリングUWBが採用するUWBは、機器同士の距離を測る「測距」に重点を置いた無線技術です。GoogleはAndroid向けの技術情報で、UWBを位置を10cmの精度で測定する技術と説明しています。この数値はUWBの技術についての説明で、ソーラーリングUWBの測定性能を表すものではありません。
Bluetoothで距離を推定する方法の一つに、受信した電波の強さを使うRSSIがあります。Bluetooth SIGによると、この方法の精度は一般に3〜5m程度で、電波の吸収や回折など周囲の環境に左右されます。
一方、Bluetoothには、電波の位相を利用して距離を推定するチャネルサウンディングという方式もあります。2台の機器が複数の周波数で交互に送受信し、位相の情報を集める仕組みです。
室内光で動く無線機器の検証例
ソーラーリングUWBと同じく、光から電力を得て無線通信する機器の検証例として、ムセンコネクトは山形大学の有機薄膜太陽電池を使った実験を行っています。有機薄膜太陽電池は、有機材料を薄いフィルム上に塗って作る太陽電池で、蛍光灯やLEDなどの室内光でも発電します。
この実験では、発電した電力を蓄え、センサーによる計測とBluetooth LE通信に使いました。約700ルクスのオフィス環境で、約30秒に1回の計測と通信を確認しています。この照度と動作間隔は、ソーラーリングUWBとは別の太陽電池・回路を使った実験の条件と結果です。

照度による発電量の違いは、SMKの光発電モジュール「HarvestLoop」の仕様にも表れています。発電用のPVセル、つまり太陽電池セルは、動作電圧2.5Vの条件で、200ルクスでは約5µA、5000ルクスでは約100µAの発電電流とされています。HarvestLoopは二次電池を内蔵し、バッテリ非搭載のソーラーリングUWBとは電源構成が異なります。
小型ゲートウェイと温度計測シールも展示
WhiteLabはソーラーリングUWBとともに、センサーのデータをインターネットへ送るIoTゲートウェイ「センサーコネクトII」を開発しました。2024年開発の「センサーコネクトI」をウェアラブル機器に内蔵したいという企業の要望を受け、約1年かけて小型化したものです。従来品より面積を約7割削減し、1円玉より小さいサイズにしています。
組み込み先として、ウェアラブル機器のほか、家電や電気・ガス・水道のメーター、インフラ点検、高齢者の見守りなどを想定しています。CEATECでは搭載例として、気温や湿度などから暑さ指数(WBGT)を算出し、携帯電話回線のLTEでクラウドへ直接送る「熱中症モニター」を展示します。
新製品の「ソーラーシール」は、ソーラーリングの技術をシール型にした温度計測機器です。1円玉と同じ大きさで、人体や物体に貼り付けて使え、WhiteLabは完全防水としています。
これらはいずれも製品化を見据えた動作可能なコンセプトモデルとして、伯東との協賛出展で展示されます。出展場所はCEATEC 2026のネクストジェネレーションパーク、ブース番号4H-219です。入場にはオンラインでの事前登録が必要です。










