
scrcpyはAndroid端末の画面をWindowsなどのPCに表示し、PCのマウスやキーボードで操作できるオープンソースソフトです。 Windows Centralの編集者は、スマートフォン専用アプリの画面やテキストをPCで扱うために使い、画面の一部だけを表示する機能も活用しています。 Phone Linkと役割が重なる一方、通知や通話などの連携機能や接続の仕組みは異なります。

scrcpyはAndroidの画面表示とPCからの操作に対応
scrcpyはAndroid端末の映像と音声をUSBまたはTCP/IP経由でPCへ送り、PCからの入力を端末へ伝えます。 TCP/IPはネットワーク上で通信する方式です。同じネットワークにつないだ端末なら、無線でも利用できます。 利用には端末側でUSBデバッグを有効にする必要があります。
仕組みは、PC上で動くクライアントと端末上で動くサーバーの組み合わせです。 クライアントはADB(Android Debug Bridge、Android端末と開発用PCが通信する仕組み)を使ってサーバーを端末へ送り、起動します。 サーバーは画面映像や音声をPCへ送り、クライアントはマウスやキーボードの入力を端末へ転送します。
映像、音声、操作の通信にはそれぞれ別のソケットを使い、不要な通信は無効にできます。 映像は端末側で符号化され、PC側で復号して表示されます。 scrcpyはroot化や端末へのアプリのインストールを必要とせず、Linux、Windows、macOSで動作します。
USBデバッグを有効にして端末を接続
Androidでは「開発者向けオプション」からUSBデバッグを有効にします。 Android 4.2以降では、設定内の「ビルド番号」を7回タップすると「開発者向けオプション」が使えるようになり、その後USBデバッグを選べます。 設定項目の場所や名前は端末によって異なります。
USB接続時は、ADBが端末を認識した後、端末に表示されるUSBデバッグの許可を承認すると接続できます。 scrcpyを起動すると、クライアントがサーバーを端末へ転送して実行するため、利用者が別のアプリを端末へインストールする必要はありません。 USB接続のほか、ADBのTCP/IP接続を使った無線利用にも対応します。
複数の端末が接続されている場合は、シリアル番号やUSB・TCP/IP接続を指定して操作対象を選びます。 Android 11以降では、端末のワイヤレスデバッグを使い、USBケーブルなしでペア設定する方法もあります。 Windows Centralの編集者はUSB-Cで端末を接続し、画面を消したまま操作する設定や表示範囲の切り抜きを利用しています。
Phone Linkは通知や通話、写真にも対応
Phone Linkは、Windows PCとAndroid端末などを連携させるMicrosoftのアプリです。 Androidでは、メッセージの閲覧と返信、通話、通知の確認、最近の写真の表示、対応アプリの利用などができます。 通話にはBluetoothでのペアリングが必要です。
Phone Linkの設定では、PCと端末を同じWi-Fiネットワークに接続し、Microsoftアカウントでサインインしてペアリングします。 Phone LinkはWi-Fi、モバイルデータ通信、インスタントホットスポット経由で接続できます。 一方、scrcpyはUSBまたはADBのTCP/IP接続を使い、画面の表示とPCからの操作を中心に構成されています。
scrcpyでは、端末とPCの間でテキストを双方向にコピーできます。 端末のアプリからコピーしたテキストをWindowsアプリへ貼り付ける使い方もできます。 Phone Linkは通知、通話、写真なども扱うため、画面操作とクリップボードを使いたい場合と、複数のスマートフォン機能をPCから扱いたい場合で使い分けられます。
利用には端末や機能ごとの条件もある
scrcpyはAndroid 5.0以降の端末に対応します。 音声転送はAndroid 11以降が対象で、Android 11では起動時に端末画面のロックを解除しておく必要があります。 Android 10以前では音声を取り込めず、映像のみのミラーリングになります。
USBデバッグを有効にしても、端末がADBに認識されなければscrcpyは動作しません。 Windowsでは端末によってドライバーが必要になる場合があり、接続時に表示される許可を承認する必要があります。 一部の端末では、マウスやキーボードによる操作に追加の「USBデバッグ(セキュリティ設定)」が必要になることがあります。
scrcpyには、画面録画、画面を消した状態でのミラーリング、カメラ映像の取り込みなどの機能もあります。 ただし、カメラミラーリングはAndroid 12以降が対象で、LinuxでPCのウェブカメラとして使う機能はV4L2に対応する環境向けです。











