
アルゼンチンが探査停止を求める
アルゼンチン政府は、フォークランド諸島北方の石油・ガス探査を止めるよう、国際海洋法裁判所に請求しました。英国が認めた活動は違法だとして、新たな探査許可の停止などを求めています。
請求の対象となるシーライオン油田は、諸島から約130マイル(209キロ)離れた海域にあります。埋蔵量は推定17億バレルで、2028年に生産を始める見込みです。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、請求の約2週間前にシーライオン計画の中止を要求していました。英国のウマ・クマラン外務省担当相は、アルゼンチンの動きを批判し、諸島で事業を営む企業への保護策を発表しました。
裁判所が扱う暫定措置
国際海洋法裁判所は、国連海洋法条約に基づく紛争を扱う独立した司法機関で、所在地はドイツのハンブルクです。アルゼンチンは同裁判所に、探査許可の停止など複数の措置を英国に命じるよう求めています。
国連海洋法条約第290条1項は、条約に基づいて紛争が裁判所などに付託された場合、当事者の権利を保全するための暫定措置を定められるとしています。これは、本案の判断を待つ間に権利を守るための手続きです。
ルクセンブルクがメキシコを相手に提出した別の請求も、この条項を根拠に、船舶の拘束をめぐる紛争の本案が決まるまで暫定措置を求めています。アルゼンチンの請求では、探査許可の停止が求める措置に含まれます。
英国とアルゼンチンの主張
島々の主権をめぐり、英国とアルゼンチンは対立しています。アルゼンチンは諸島を自国領と主張し、英国は自国の領土であるとの立場を取っています。
英国は1833年以来、諸島を実効支配してきました。1982年にはアルゼンチン軍が上陸して占領し、英国が軍を派遣して奪回しました。その軍事衝突から40年以上がたった現在も、両国は主権の主張を取り下げていません。
海域の資源開発をめぐる対立は、2010年にも表面化しました。諸島周辺で英国の石油会社が試掘を行い、アルゼンチンが反発しました。
探査事業と英国の企業保護策
シーライオン油田の探査権は、英国のロックホッパー・エクスプロレーションとイスラエルのナバイタス・ペトロリアムが保有しています。両社は、英国が発行した有効な許可を持つと主張しています。
フォークランド諸島政府は先月、探査許可を延長しました。許可は同政府が出しますが、英国の外相による承認も必要です。英国政府は、油田が諸島の大陸棚に位置し、諸島政府の規制下にあるとして、開発は合法だとの立場です。
英国は、アルゼンチンの制裁措置が企業に域外で影響を及ぼす場合に備え、「通商利益保護法」に基づく措置を導入する方針です。エド・ミリバンド外相は、合法的な商取引に携わる企業への威圧を容認しないと述べました。英国政府は裁判所には対応する一方、アルゼンチンの請求には強く反対する構えです。








