Jeremy Clarkson Hawkstone
写真: HawkstoneOfficial / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

農場の素材で仕立てたワンオフ車

ジェレミー・クラークソンが、自身の農場で育てた亜麻などを使い、ジャガー「Fタイプ」を改装した特別車を製作しました。外装パネルや内装に農場由来の素材を使った一台で、2027年にAmazon Primeで放送予定の番組に登場します。

この車は「Flax-Type」と呼ばれ、ジャガーFタイプをベースに、車両ごとに設計・製作するコーチビルト方式で仕上げられました。外装デザインは、初代Fタイプを手がけたイアン・カラムが担当しています。

ベース車は改良前のFタイプ・ロードスターで、スーパーチャージャー付き3.0リッターV6エンジンを搭載します。最高出力は380馬力で、後輪駆動を含む機械部品は基本的に引き継がれています。

亜麻複合材の外装と農場由来の内装

外装には、亜麻を使った軽量複合材のパネルを採用しました。専用のボディキットには、形状を変えたフロントバンパーや前後のワイドフェンダーが含まれます。

車体色はトンガ・グリーンとみられ、トラクターのエンブレムや「Flax-Type」の文字もあしらわれています。足元にはブロンズ色の5本スポークホイールを組み合わせました。

2人乗りの室内には、クラークソンの家畜に由来するタン色の革、農場で飼育した羊の毛を織ったカーペット、ツイードの内装材を使用しています。ヘッドレストにはトラクターのロゴが型押しされています。

天然繊維複合材の自動車利用

亜麻複合材は、モータースポーツでも車体部品に使われてきました。ポルシェ・モータースポーツとBcompが開発した718ケイマンGT4クラブスポーツでは、2020年から天然繊維の車体キットが採用されました。

2022年のBMW M4 GT4では、ボンネットやフロントスプリッター、ドア、トランク、リアウイングに亜麻繊維の部品が使われています。Bcompは、同社の亜麻複合材について、モータースポーツ用途で単一構造の炭素繊維複合材と同等の剛性と重量を実現したと説明しています。

量産車向けの課題には、繊維の品質のばらつきがありました。繊維加工会社と農業側の連携により、過去に自動車部品の認証を妨げていた一貫性の問題に対応しています。

成形方法と番組での紹介

Bcompの材料は、用途に応じて既存の成形設備を使えます。ポリプロピレンを含浸させたシートは射出成形に対応し、亜麻複合材は圧縮成形にも使えます。

少量から中規模の高性能スポーツカー向けには、オートクレーブ成形も選択肢です。Bcompは同社の亜麻繊維材料について、紫外線への耐性や振動を抑える特性を挙げ、自動車外装への利用を進めています。

Flax-Typeはイタリア・トスカーナ州で開かれたイベントで一般公開されました。番組「Jeremy Grows a Car: A Clarkson's Farm Special」は2027年にAmazon Primeで配信され、世界各地で放送される予定です。