ASUS Wi-Fi ROUTER TUF 6500
写真: Dinkun Chen / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

ゲーミングルーターは、混雑時にゲーム通信を優先する機能を備えることがありますが、導入しても遅延が必ず下がるわけではありません。RTINGSが11台をテストしたところ、ルーターが遅延に影響しやすいのは、家庭内の通信が回線容量を使い切る状況でした。

ゲーミング向け機能と、改善できる問題

ルーターは、家庭内の端末とインターネットの間で通信を中継します。ゲーミングモデルも基本的な役割やWi-Fi規格、Ethernet接続は一般向けルーターと共通しており、機種によってはゲーム通信の優先設定や、接続先サーバーの地域を絞る機能を備えます。そのため、「ゲーミング」という製品名だけで通信性能が上がるとは限りません。

複数の端末が大容量のダウンロードなどを同時に行い、契約回線の容量に達すると、通信の待ち行列が伸び、ゲームの応答が遅れることがあります。QoS(通信品質制御)は、特定の端末や通信を優先する仕組みです。SQM(スマートキュー管理)は、通信の流れを分け、混雑時の待ち行列を制御する方法です。ただし、どちらも混雑による遅延を抑える機能であり、ゲームサーバーまでの距離や回線自体の混雑は解消しません。

RTINGSのテストでは、11台中9台でQoSまたはSQMを使うとネットワーク遅延が改善しました。テスト対象にはゲーミング専用ではないルーターも含まれ、すべてが何らかのQoSまたはSQM機能を備えていました。通信の優先制御機能は、ゲーミングモデル以外にも搭載されています。

混雑時の遅延とWi-Fiの不安定さを分けて考える

SQMは、通信量が回線容量を超えたときに膨らむ待ち行列を扱います。データ量の多い通信と、ゲームのように応答性が求められる通信を分けて扱い、帯域を調整することで混雑時の遅延を抑えます。通常のQoSは、設定した端末や通信を優先する仕組みです。どちらも混雑への対処に役立ちますが、RTINGSのテストでは、混雑していない状態でルーターを替えても、遅延は大きく変わりにくいとされました。

Wi-Fiの電波状況が原因の場合、トラフィック制御だけでは解決しないことがあります。RTINGSのテストでは、有線接続とWi-Fi接続で遅延とジッター(通信遅延のばらつき)に差があり、Wi-Fiはルーターとの距離や接続環境にも影響されました。無線通信は電波干渉や複数端末での共有の影響を受けるため、有線Ethernet接続なら、少なくともWi-Fi区間の干渉や不安定さを避けられます。

ルーターの移動で、電波の届き方が改善することがあります。Wi-Fi 7などの新しい規格もありますが、接続する端末側も対応している必要があります。いずれもゲームサーバーまでの距離による遅延には作用しません。

買い替え前に接続方法を比べる

Engadgetは、同じゲームをWi-Fiと有線で遊び、ほかの端末の通信が少ないときと、大容量ダウンロードや動画配信で回線に負荷がかかるときの両方を比べる方法を紹介しています。Wi-Fi接続時だけ不安定なら、電波環境や有線接続の状態を調べることで原因を切り分けられます。負荷をかけたときに遅延が増える場合は、QoSやSQMによる制御が選択肢になります。

ルーターが古い場合や、既存機器で必要な接続ができない場合は、買い替えも選択肢です。その場合は、ゲーミング向けの外観や名称ではなく、必要な通信規格と優先制御機能の有無が選定基準になります。