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出典: japan.aramco.com

東西パイプラインの能力を2〜3年で拡大へ

サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、ペルシャ湾外へ原油を運ぶパイプラインの輸送能力を、今後2〜3年で日量1,000万バレルに引き上げる案を検討していると述べました。東西パイプラインのポンプ場を改良するほか、ガス用パイプラインを原油輸送に転用する計画です。

東西パイプラインは、東部の産油地域から紅海沿岸のヤンブーへ原油を運び、ホルムズ海峡を通らない輸出経路となります。サウジは、9月の無人機攻撃後に復旧した同パイプラインを10月6日時点で日量580万バレル運用していたと、エネルギー相は説明しました。

転用するガス用パイプラインは、7〜8週間で日量約120万バレルの原油を運べる見込みです。追加投資によって日量300万バレルまで増やせる可能性がある一方、当初の転用は一時的な措置とされています。

目標能力は現在の輸出量を上回る規模

米エネルギー情報局(EIA)は、攻撃前の東西パイプラインがヤンブー経由で日量500万バレルを超える輸出を担っていたと推計しています。日量1,000万バレルという目標は、この攻撃前の輸出量の2倍を上回る規模です。

EIAによると、東西パイプラインへの攻撃で輸送が一時止まり、ブレント原油のスポット価格は9月15日に一時1バレル131ドルまで上昇しました。パイプラインが9月22日から部分的に輸送を再開した後、紅海経由の輸出減少の一部は、ホルムズ海峡経由の輸出に振り替えられました。

一方、Kplerのデータでは、サウジの9月の原油輸出量は日量600万バレルで、2025年の月平均に相当しました。8月の日量340万バレルから約80%増えた水準であり、日量1,000万バレルの輸送能力はこの9月の輸出量と比べて約1.7倍です。

ガス用設備の転用は季節限定の計画

エネルギー相によると、転用したパイプラインは5月まで原油輸送に使い、その後は洗浄して夏季の国内ガス供給に戻す想定です。アラムコのアミン・ナセル最高経営責任者にも、その運用案を伝えたとしています。

サウジは、ポンプ場や圧縮機を設置し、状況に応じて原油とガスのどちらも運べる設備にする作業をアラムコと進めています。この計画では、初期能力を日量約120万バレルとし、追加投資後に日量300万バレルまで増やす見込みですが、いずれも原油専用の恒久的な輸送能力ではありません。

東西パイプラインは、危機時にヤンブーから輸出し、ホルムズ海峡を通る輸送への依存を抑える役割を担ってきました。エネルギー相は、危機の間に同経路を使ったことで、建設費用を上回る価値が得られたとの見方を示しました。

輸送経路の制約と市場への影響

EIAは、9月の中東での攻撃を受け、ブレント原油の月平均価格が1バレル114ドルとなり、8月を23ドル上回ったとしています。東西パイプラインの停止によりサウジの輸出が減り、買い手が短期の供給確保に動いたことも、価格上昇の要因として挙げています。

Kplerのデータでは、9月のホルムズ海峡経由の原油輸送は7日平均で日量1,320万バレルでした。イラン戦争前の約1,700万バレルを下回る水準で、サウジはオマーン沿岸での船から船への積み替えも利用しながら、同海峡経由の輸出を増やしていました。

EIAは、2026年10〜12月期も中東からの原油輸送が制約されると想定し、ブレント価格を平均1バレル105ドルと予測しています。また、代替パイプラインや陸上経路、積み替えなどの活用により、供給停止量は徐々に減るとの見通しを示しました。