
ソニーは、スマートフォンに直接取り付けて空間オーディオを録音できるマイク「ECM-AX10」を10月23日に発売します。4基のマイクで周囲の音場を記録するアンビソニックス録音のほか、バイノーラル録音とステレオ録音にも対応します。

4基のマイクで音場を記録
ECM-AX10は、4基の全指向性マイクユニットを球形のモジュールに配置しています。ソニーは、高次アンビソニックスマイクで使われる信号処理技術を4チャンネルの1次アンビソニックス収録に最適化し、空間内の音響情報を記録すると説明しています。
アンビソニックス録音は専用アプリ「Spatial Audio Video Tool」で利用でき、録音形式は4チャンネルです。音源を特定のスピーカー位置に割り当てる方式とは異なり、音場を記録し、再生環境に応じて変換できます。
本体の長さは約116mm、重さは約24gで、USB-Cでスマートフォンに接続します。発売時の価格はオープンで、市場推定価格は3万円前後です。
3つの録音形式を用途に応じて選択
ECM-AX10は、アンビソニックス、バイノーラル、ステレオの3形式で録音できます。ソニーによると、バイノーラルはヘッドホン再生向けの2チャンネル方式で、同社独自の立体音響技術を使って音像を再現します。
アンビソニックスは、録音時に音場を汎用的な形で表すため、再生時にリスナーの向きに合わせて音場を回転させたり、スピーカー構成に合わせてデコードしたりできます。Unityによると、デコーダーはアンビソニック形式を選択中のスピーカー形式へ変換し、音源とリスナーの位置に基づく立体化も処理します。
ステレオ録音は、ヘッドホンとスピーカーの双方で使える汎用形式です。バイノーラルとステレオは専用アプリ以外でも利用できますが、アンビソニックス録音には専用アプリが必要です。
専用アプリで撮影から書き出しまで
「Spatial Audio Video Tool」は、空間オーディオを使った動画の撮影、内容の確認、簡易編集、ファイルの書き出しに対応します。アプリはiOSとAndroid向けに提供予定です。カメラ機能を使うため、画質や一部機能はスマートフォンによって異なる場合があります。
4K撮影は2026年12月以降に対応する予定です。ソニーは動作確認済み端末を案内しており、一部端末では撮影シーンによって正常に動画を撮影できない可能性があるとしています。
ECM-AX10は空間オーディオ規格「Eclipsa Audio」に対応し、マイクロホンとして世界で初めて認証を受けました。ソニーによると、録音した内容を空間オーディオとしてYouTube上で公開・再生できます。
IAMFを通じて再生環境に合わせる
Eclipsa Audioは、Alliance for Open Mediaがロイヤリティフリーで提供するIAMF規格を基盤とした空間オーディオ技術です。IAMFでは音声チャンネルを音声要素としてまとめ、複数の音声要素を組み合わせたミックスプレゼンテーションを再生に使います。
Eclipsa Audioでは、ミックスプレゼンテーションに複数のスピーカー構成やヘッドホン向けの音声を含められます。再生機器は設定やスピーカー構成に応じて再生する音声を選び、完全に一致するスピーカー構成がなければ、別の構成の音声をダウンミックスする場合があります。
Orbit Docsによると、YouTubeはIAMFを使って没入型音声を配信し、IAMF音声からステレオやサラウンドの再生用音声も生成します。Orbit Docsでは、YouTube向けにIAMFの音声を含むファイルをアップロードし、チャンネルベースまたはシーンベースの音声要素を使う構成が案内されています。











