
テスラはModel 3とModel Yに、停電時に車載バッテリーから家庭へ電力を送る機能「Powershare」を追加しました。利用には対象車とPowerwallなど指定機器の組み合わせが必要で、車を持っているだけでは使えません。
Model 3とModel YがPowershareに対応
これまでPowershareによる家庭への給電に対応していたのはCybertruckでした。今回、Model 3とModel Yも加わり、対応車のバッテリーを停電時の家庭用電源として使えます。
対象は10月1日以降に購入した車両と、それ以前に購入した一部の車両です。テスラは、すべてのModel 3とModel Yが利用できるわけではないとしています。
利用にはPowerwallとWall Connectorが必要です。Powerwallはテスラの家庭用蓄電池で、Powerwall 3は設置費込みで約1万5,000ドル、Wall Connectorは585ドルとされています。
車の電力を家庭へ送る仕組み
V2Hは「Vehicle-to-Home」の略で、車の電力を家庭の配電盤へ送る仕組みです。車のコンセントから家電へ直接給電するV2Lとは異なり、家庭の電気回路に接続して、停電時の電源として使います。
一般的なV2Hシステムでは、車のバッテリーから取り出した直流電力を、双方向充電器などで家庭用の交流電力に変換します。通常のLevel 2充電器は家庭から車への充電に使うもので、車から家庭へ電力を戻す機能はありません。
家庭側には、停電時に住宅を電力網から切り離す切替装置も必要です。車、双方向の電力変換機器、家庭側の切替装置を組み合わせ、停電中に車の電力を家庭へ供給します。
最大15kWで動かせる家電
テスラによると、対応するModel 3とModel Yは家庭へ最大15kWを出力できます。kWは同時に供給できる電力の大きさを表し、蓄えた電力量とは別の指標です。
15kW級の出力があれば、冷蔵庫、照明、Wi-Fi機器、テレビ、扇風機に加え、給水ポンプや洗濯機、電子レンジ、一部のエアコンも給電対象になり得ます。家電の消費電力は機種や使い方で変わるため、同時に動かせる機器の組み合わせも家庭ごとに異なります。
特にエアコンなど消費電力の大きい機器を複数使うと、蓄えた電力の減りが速くなります。出力の上限だけでなく、各家電の消費電力と使用時間も考慮する必要があります。
停電時の給電時間と導入条件
テスラは、すでにPowerwallを設置している家庭では、Powershare対応車を接続するとバックアップ時間を2日延ばせるとしています。この見積もりは、家庭の電力使用量を1日30kWhと仮定した場合です。
停電時に車が家庭にあり、給電に使える状態であることが利用の前提です。車から家庭へ給電できる時間は、家庭で使う電力量や車に残っている電力量に左右されます。
このため、Powershareの導入には、対象車かどうかの確認に加えて、PowerwallとWall Connectorを含む機器構成が必要です。










