
週末の抗議行動に伴い、パリやマルセイユ、リヨン、リモージュで放火や略奪が起き、市庁舎や観光施設、共和国を象徴する像にも被害が出ました。フランス政府は治安を保てなかったと認め、セバスチャン・ルコルニュ首相は一部地域で部分的な外出禁止令を導入する権限を地元首長に与えています。

抗議の一部が暴徒化し、各地で火災
多くの抗議参加者は、燃料価格の上昇、生活費の負担、学校など公共サービスの悪化に反対する平和的な活動を行いました。一方、黒い服やマスク、目出し帽を身に着けた一部の集団は、車や店舗、建物に火を放ちました。
パリでは店舗の正面や窓が壊され、複数の都市で略奪が発生しました。シャンゼリゼ通りの一部ではバリケードが築かれ、レンタル自転車が道路に積まれて燃やされたほか、パン店や車両も焼失しました。
被害の全容は日曜の夜明けに明らかになりました。警察が催涙ガスやスタングレネードを使うなか、首都では複数の小集団が移動しながら商店を襲い、警察は動きを抑えきれませんでした。
マリアンヌ像と市庁舎にも被害
パリのレピュブリック広場では、広場の中心に立つ共和国の像が荒らされ、黄色いベストが掛けられました。この像は1883年に建立され、マリアンヌはフランス共和国を象徴しています。
広場は1879年に現在の名称となり、1883年には共和国を表すマリアンヌ像が設置されました。像は自由・平等・友愛を表す寓意像の上に立ち、台座にはフランス共和制の歴史に関する浮き彫りが並んでいます。
レピュブリック広場は市民の集会や民主的な表現の場としても使われてきました。2015年のテロ事件後、市民は広場に集まり、犠牲者に花を手向けました。
マルセイユ、リヨン、リモージュで建物が損壊
マルセイユでは、抗議者が金属製の柵を使って市庁舎に押し入り、建物内を荒らしました。フランス共和国の象徴であるマリアンヌの胸像は損傷し、床に倒されました。
リヨンでは、19世紀の建物に入る観光案内所が燃えました。市長のグレゴリー・ドゥセは、観光案内所の焼失を「悲劇」と表現しました。
リモージュでは市庁舎で火災が起き、建物の一部が崩落しました。地元当局者は庁舎が「大部分失われた」と述べ、建物上部の尖塔も焼失しました。
政府は外出禁止令の権限を地方に付与
フランス当局は、抗議者に都市の一部の支配を許したと認めました。内相のローラン・ヌニェスは辞任を申し出ましたが、受け入れられませんでした。
ルコルニュ首相は、住民や事業者を守るため、一部地域で部分的な外出禁止令を導入する権限を地元首長に与えました。地方自治体では、週末の混乱を受け、導入が検討されています。
抗議行動は翌週の土曜日にも続く見通しです。










