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出典: rd.ntt

東京と札幌のストレージを100Gbps回線で接続

ブロードバンドタワーとNTT東日本は、IOWN APN(光技術を使うオールフォトニクス・ネットワーク)を利用し、東京と北海道のデータセンター間でストレージを統合する実証を行いました。両拠点は1,000km超離れており、遠隔地からの読み出し性能とランサムウェア対策を検証しました。

実証では、ブロードバンドタワーの新大手町サイトとNTT東日本の札幌東局を、100Gbpsの「All-Photonics Connect powered by IOWN」で接続しました。両拠点のストレージを横断するバックエンドネットワークを構築し、東京・北海道間の通信性能、大容量ファイルの読み出し、ランサムウェア攻撃を想定した防御を調べました。

ネットワーク測定では、片道遅延は7.14ミリ秒、遅延のゆらぎは16ナノ秒未満でした。大容量ファイルの読み出し速度の低下は約3%で、同一拠点にストレージを置いた場合との所要時間の差は1秒未満でした。

遠隔拠点でも読み出しと検知・防御を確認

ストレージは、データを保存し、アプリケーションなどから読み書きする装置です。今回の実証では、東京と北海道に分散したストレージを一つの基盤として扱い、遠隔拠点から大容量ファイルを読み出せるかを確かめました。

ランサムウェアは、データを暗号化するなどして利用できなくし、身代金を要求する不正プログラムです。疑似攻撃では、両拠点のストレージ領域で攻撃を検知し、防御できました。また、監視サーバーを一方の拠点に集約した状態でも、遠隔拠点に対応できることを確認しました。

IOWN APNは、端末からネットワークまで光を基盤とする技術を導入し、低遅延・大容量の伝送を目指すネットワークです。NTTは、ネットワーク全体に光波長パスを設ける方式をAPNの要素として説明しています。

光波長パスで遅延の変動を抑える仕組み

NTTは、通常のインターネットでは混雑状況に応じて遅延が変動すると説明しています。これに対し、APN IOWN1.0を支える遅延マネージドネットワークは、ユーザー拠点まで通信パスを設定し、遅延の変動を抑える設計です。

この通信パスにはOTN(光伝送ネットワーク)を使い、他のトラフィックから分離した専用の通信路として利用できます。NTTは、OTNによる通信は帯域を保証し、遅延のゆらぎをゼロにする特性があると説明しています。

通信パスの両端では遅延を測定し、必要に応じて調整できます。調整には、信号断を伴う方式と、信号を途切れさせず徐々に変える方式があり、通信遅延を考慮した処理に応用できます。

地方データセンター活用へ向けた次の検討

両社は今回の実証で、1,000km超離れたデータセンター間でもストレージを統合利用できる可能性を確認しました。用途として、地方拠点に蓄積した学習データを首都圏から使う生成AI開発、複数拠点にまたがるコンテンツ制作、ストレージ統合によるランサムウェア対策の一元化を挙げています。

ブロードバンドタワーは、2026年9月14日に北海道石狩市の「石狩新港サイト」の運用を開始しました。同社は同サイトと新大手町サイトをIOWN APNで直接接続しており、今回の知見をもとに、石狩新港サイトを含む全国の拠点をつなぐストレージシステムを検討するとしています。

今回の結果は特定の実証環境で得られたもので、ブロードバンドタワーとNTT東日本は、あらゆる環境で同等の性能を保証するものではないとしています。また、実証に使ったハードウェアは、メーカーによる公式な検証・承認を受けていないことも明記しています。