Photograph of Pina Bausch and Dominique Mercy
出典: pinabausch.org

ミラノ・スカラ座バレエ団は、2026年10月29日のワールド・バレエ・デーに合わせ、ピナ・バウシュ振付『春の祭典』のスタジオリハーサルを正午(ミラノ時間)からYouTubeで配信します。 バウシュの作品を同バレエ団が取り上げるのは初めてで、11月7日から21日までの公演に先立ち、作品の振付や稽古の様子を公開する機会となります。

ワールド・バレエ・デーに稽古を配信

ワールド・バレエ・デーは2026年、「物語はいかにつくられるか」をテーマに掲げています。 スカラ座では、バレエ団がバウシュの芸術世界と振付の言語に取り組む過程を、スタジオリハーサルの映像で紹介します。

配信の稽古は、ピナ・バウシュ財団で本作の再演を芸術面から指揮するジョセフィーヌ・アン・エンディコットが主導します。 エンディコットは、バウシュが率いたタンツテアター・ヴッパタールの初期メンバーとして踊ったダンサーです。

稽古には、リハーサルディレクターのブリアナ・オマラとスコット・ジェニングス、スカラ座のバレエマスターであるマッシモ・ムッルとアントニーノ・ストゥテーラも参加します。 映像はサラ・チェッケッティで撮影され、作品の全キャストが登場します。

バウシュが1975年に振り付けた作品

『春の祭典』は、イーゴリ・ストラヴィンスキーの音楽にピナ・バウシュが振り付けた作品で、初演は1975年です。 ピナ・バウシュ財団は、この振付をバウシュの作品における節目の一つと位置づけています。

バウシュの作品では、感情の強さと、身体の動きを直接的に用いる表現が特徴の一つになりました。 財団の略歴は、『春の祭典』の振付にもその力強さと身体性が表れているとしています。

タンツテアターは、ここではダンスと演劇の表現を組み合わせるバウシュの創作スタイルを指します。 その表現は、バレエの定型的な動きだけにとどまらず、作品に応じて手段を選ぶ自由を重視しました。

定型の動きから感情や日常の表現へ

バウシュはダンスと演劇の方法を組み合わせ、詩的なイメージや踊りを通じて人の恐れや欲望を扱いました。 こうした創作では、クラシック・バレエの決まった型を繰り返すだけでなく、身体を使って人間の内面や日常に関わる表現を組み立てます。

バウシュは後年、作品づくりにあたり、出演者に問いを投げかけて答えを集め、そこから舞台表現を構成する方法を取り入れました。 財団の略歴によると、この手法は1978年の作品制作で形づくられ、夢のようなイメージと身体の言語を結びつけました。

財団は、バウシュのタンツテアターが国際的な振付の展開に影響を与えたと説明しています。 『春の祭典』は、強い感情と直接的な身体表現を軸にした作品として、スカラ座のダンサーが新たな振付の言語に取り組む機会にもなります。

11月の公演はストラヴィンスキーとの二本立て

スカラ座バレエ団による舞台公演は、ジョージ・バランシン振付作品と組み合わせた二本立てで、11月7日から21日まで上演されます。 『春の祭典』ではスカラ座管弦楽団が演奏し、指揮はイド・アラドが務めます。

ピナ・バウシュ財団が掲載する公演日程には、11月7日、11日から15日、18日から21日が含まれています。 公演はミラノのスカラ座で行われ、2026年の新制作として同劇場と財団が共同制作します。

10月29日の配信は、11月の舞台に先立つスタジオでの稽古を公開するものです。 バウシュの振付を初めて上演するスカラ座バレエ団が、作品の全キャストとともに準備を進める様子を、ワールド・バレエ・デーの配信で見ることができます。