
東京大学、東芝、AGC、アンリツ、NECネッツエスアイは、分散型アンテナシステム(DAS)と電波反射板を組み合わせ、高速道路内のローカル5G通信エリアを広げながら、道路外への電波漏洩を抑える実証を行いました。カーブや高低差のある約200mの試験区間で効果を確認し、基地局やアンテナを大幅に増やさずに通信エリアを形成できると示しました。

DASと反射板で電波の届く範囲を調整
DASは、複数の地点にアンテナを配置して電波を放射し、道路内に線状の通信エリアをつくる仕組みです。電波反射板「Radivia」は、電波の進行方向を制御して必要な場所へ届けるとともに、道路外へ向かう電波を抑える部材です。
今回の実証では、約200mの高速道路試験区間にDASを設置し、中間地点に透明な反射板を配置しました。DASから送信した電波を反射板で道路の反対側へ導き、道路内の通信エリアの広がりと道路外への漏洩抑制を評価しました。
実証では、反射板で電波の方向を調整し、DASによる道路内の線状通信エリアを拡大するとともに、道路外への不要な電波漏洩を抑えられることを確認しました。反射板は遮音壁への設置を想定した透明なもので、視認性や沿線の日照、景観に配慮しています。
高速道路での活用を見据えた実証
ローカル5Gは利用範囲を限定して運用する通信方式です。高速道路では高架構造物や遮音壁が電波を遮り、一部区間で通信品質が低下する可能性があります。そのため、道路内の通信エリアを補いながら、道路外への漏洩を抑えることが課題です。
5機関は、自動運転支援、インフラ点検、遠隔監視など、高速道路の業務でローカル5Gを活用するための通信基盤として、今回の技術の適用可能性を確認しました。今後は実証で得た知見を活用し、高速道路環境でのローカル5Gの高度化と社会実装を目指します。
実証では、東京大学大学院工学系研究科中尾研究室がローカル5G技術、AGCが反射板、東芝がDASや電波測定車を提供しました。アンリツは測定器と測定技術を、NECネッツエスアイは基地局を担当しました。










