Illustration of Rocky Debris around a White Dwarf
写真: NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva Image processing: M. Zamani and M. Kosari (NSF's NOIRLab) / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

白色矮星HS 0209+0832の大気から、ニオブや銅などの重元素が多く、ケイ素や鉄が少ないという異例の組成が見つかりました。研究チームは、星が巨星だった時代に放出した物質から形成された「第二世代惑星」の大気が、白色矮星に取り込まれている可能性を示しています。惑星の存在や起源は候補として報告されており、確定した発見ではありません。

ニオブに表れた恒星由来の元素組成

白色矮星は、燃料を使い果たした恒星の中心核が残った天体です。周囲の物質を取り込むことがあり、大気中の元素を調べることで、取り込まれた天体の組成を推定できます。

HS 0209+0832では、亜鉛、銅、ニオブなど、鉄より重い元素が多く見つかりました。なかでもニオブは、太陽に比べて千倍を超える量が検出されています。一方、岩石を構成する代表的な元素であるケイ素はごくわずかで、鉄は検出されませんでした。研究チームによると、この組成は太陽系の岩石天体など、これまで調べられた白色矮星が取り込む物質とは一致しません。

ニオブなどの重元素が生まれる過程の一つに、s過程があります。s過程は「遅い中性子捕獲過程」で、恒星内部で原子核が中性子を取り込み、重い元素へ変化する反応を指します。AGB星など、恒星の進化末期には、ヘリウム燃焼に伴う反応で中性子が放出され、鉄より重い元素が合成されます。そのため、ニオブに富む物質が恒星から放出されたガスに含まれていれば、そのガスから生まれた惑星にも同じ元素の特徴が残る可能性があります。

白色矮星に落ちる惑星の大気

研究チームは、HS 0209+0832が巨星だった時代に放出した物質から、近くを回るガス惑星が形成されたという説明を示しています。惑星の外層が白色矮星の強い放射で失われ、その物質が星に降り注ぐなら、大気に見つかった重元素の組成を説明できます。これは、大気の元素組成から導かれた起源の解釈です。

候補を支える別の手掛かりとして、研究チームはNASAの系外惑星探査衛星TESSの観測から、約4.4日周期の明るさの変化を検出しました。論文では、周期を4.399±0.026日、変化の振幅を0.120%±0.018%としています。変化の原因として、惑星の昼夜の温度差による熱放射の変化、または蒸発する惑星に伴う彗星状の尾が挙げられています。

白色矮星の周囲に第二世代惑星が存在すると確かめられれば、惑星が恒星の主系列段階を終えた後にも形成され得ることを示す例になります。研究チームは、同様の元素組成を手掛かりにほかの白色矮星を調べ、候補を探す方法を提示しました。筆頭著者のJamie Williams氏は今後、ハッブル宇宙望遠鏡を使い、老いた星の放出物質から生まれる惑星の形成過程や存在頻度を調べる考えです。