
AA37便がマドリードからニューヨークへ迂回
アメリカン航空のボーイング777が、マドリード発ダラス行きの大西洋横断便で、トイレ8基のうち6基が使えなくなったためニューヨークへ迂回しました。乗客と乗員287人が乗っており、残るトイレは2基でした。
対象はAA37便で、10月6日にマドリードを出発し、約7時間飛行した後、現地時間午後0時27分にニューヨークのJFK空港へ着陸しました。着陸時、機体には数時間分の燃料が残っていたと報じられています。
乗務員はJFKへの進入中に「パンパン」を宣言しました。これは緊急性のある状況を知らせる通報で、機体は安全に着陸しました。
8基中6基が故障、JFKで点検
米連邦航空局(FAA)によると、乗務員は運航可能なトイレの数が不十分だと報告しました。航空管制との交信では、操縦士が機内で使えるトイレは2基だけだと伝えています。
AA37便はニューヨークで約3時間半、地上にとどまりました。アメリカン航空はJFKで機体の整備点検を行ったと説明し、その後、同便はダラスへ向かいました。
飛行追跡データでは、機体は午後3時56分にJFKを出発し、米中部時間午後6時13分にダラスへ到着しています。マドリードを出てからダラス到着まで、ほぼ15時間かかりました。
MELは機器ごとの条件を定める
最低装備品リスト(MEL)は、機器の一部が作動しない場合でも、定められた条件の下で航空機を運航できるようにするリストです。航空会社は機種ごとのマスターリストを基に自社のMELを作り、承認を受けます。
運航には、承認済みのMELがあり、対象項目がそのリストに含まれていることなど、複数の条件が必要です。MELに運航手順(O)や整備手順(M)が指定されている場合は、出発前にそれらを実施または用意しなければなりません。

航空会社は、一部のトイレが使えない状態で運航できる場合がありますが、実際の扱いは承認されたリストと条件によります。今回は残るトイレが2基の状態でダラスまで飛行を続けず、JFKへ向かいました。
EU261の補償は到着遅延などが条件
EU域内の空港を出発する便には、航空会社の国籍を問わずEU261が適用されます。同規則では、目的地への到着が予定より3時間以上遅れた場合などに、乗客1人あたり最大600ユーロの補償対象となる可能性があります。
補償の可否は、迂回の有無だけでなく、最終目的地への到着遅延や原因などによって決まります。EU司法裁判所の判断では、通常の航空機運航に伴う技術的故障は、多くの場合「特別な事情」とは扱われません。
アメリカン航空はJFKで整備点検を実施したと説明していますが、トイレが複数故障した原因は公表していません。








