
米司法省は、CNNのホワイトハウス取材を制限した措置に抗議し、主要テレビ局が取材プールへの参加を一時停止したことについて、独禁法違反の可能性を調べています。調査の焦点は、競合局が共同で取材を拒む行為が、シャーマン法上の違法な集団ボイコットに当たるかどうかです。調査開始は違法性の認定ではありません。取材をめぐる対立では、報道の自由をめぐる主張もあります。
司法省が調べる取材プールの共同停止
司法省の広報担当者エミリー・コヴィントン氏は、テレビ局がホワイトハウス行事の取材をボイコットしており、商業上の競争相手による集団ボイコットはシャーマン法に違反する場合があると説明しました。司法省は、各局が独禁法に違反したかを判断するため調査しています。
ホワイトハウスの取材プールは、執務室や大統領専用機など、取材場所に制約がある場面で、各局が交代で撮影や映像配信を担う仕組みです。CNN、CBS、ABC、NBC、Fox Newsが参加し、撮影映像などを他の報道機関にも配信してきました。
トランプ大統領が9月18日にCNN、Politico、MS NOWをホワイトハウス敷地から排除すると発表した後、CNNはテレビ取材プールからも外されました。他の参加局は9月21日、CNNを締め出す措置への抗議として、交代で担当する取材を見合わせると共同で発表しました。
取材停止は約4日間、習近平氏訪問中に影響
参加局による取材停止は約4日間続き、中国の習近平国家主席がホワイトハウスを訪問した時期と重なりました。その間、訪問に伴う式典などの映像報道は大幅に減りました。
司法省は、競合するテレビ局が共同で取材に参加しなかった行為が、独禁法上の「集団ボイコット」に当たる可能性があるとして調べています。一方、参加局は当時、政府に関する正確で独立した情報を受け取ることには公益上の重要性があり、報道内容を理由に報道機関を排除すべきではないとの立場を示しました。
司法省は金曜日、ABC、CBS、CNN、NBC、Fox Newsに対し、ホワイトハウス取材プールに関する通信や資料を求めました。Reporters Committeeのブルース・ブラウン会長は、この調査が各局の取材記録を得るための口実に見えると述べています。同会長は、報道機関が取材内容を決めることは憲法修正第1条で保護されていると主張しました。
集団ボイコットと判断する際の法的要素
2014年のテキサス州南部地区連邦地裁の判断では、シャーマン法第1条の請求には、共謀、取引の制限、特定市場という三つの要素を立証する必要があります。競争相手同士が合意して取引を拒む行為は、集団ボイコットとして同条に違反する場合があります。
「集団ボイコット」と呼ぶだけで、直ちに違法と決まるわけではありません。過去に裁判所が違法と判断した類型に当たらない場合、関係企業が市場で支配的な地位にあるか、ボイコットが競争に必要な要素へのアクセスを断つか、競争促進上の正当化があり得るかを検討します。
取材プールへの参加停止がどの市場での競争を制限し、どの局の競争機会に影響したとされるかが、法的評価に関わります。
報道機関をめぐる過去の独禁法判断
米連邦最高裁は1945年、AP通信の会員社が非会員へのニュース提供を制限し、競合社の会員申請を拒める規約について、シャーマン法に違反すると判断しました。同事件では、ニュースの州間取引も同法の対象とされ、協同組織であることも適用を免れる理由にはなりませんでした。
最高裁はまた、報道機関への独禁法適用が、それだけで報道の自由を侵害するわけではないとしました。この判決が扱ったのはニュース流通を制限する取り決めであり、ホワイトハウスの取材プールを一時停止した行為ではありません。
ホワイトハウスによる取材制限をめぐり、CNN、Politico、MS NOWは憲法修正第1条と適正手続きの権利侵害を主張して提訴しています。連邦地裁は一時的差し止め命令を出し、ホワイトハウスに記者らのアクセスを再開させました。司法省による独禁法調査は、このアクセス訴訟とは別の手続きとして進んでいます。








