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インドネシア当局は、北スマトラ州沖を航行していたタンカーからケタミン1.16トンを押収し、乗組員8人を逮捕しました。押収された薬物の価値は1億9,200万ドル(約300億円)とされています。船舶はマレーシアから来たモンゴル船籍でした。

北スマトラ州沖でタンカーを摘発

摘発現場はインドネシアの北スマトラ州沖です。

ケタミンは医療で解離性麻酔薬や鎮痛薬として使われます。うつ病の治療に用いるエスケタミン製剤もあり、英国などで治療抵抗性うつ病向けに認可されています。一方、頻繁な使用は長期的な健康被害のリスクを高め、尿路への影響も報告されています。

直近の摘発と比べても大規模

インドネシアでは2026年8月、ビンタン島沖で別の船からケタミン1.3トンが押収され、乗組員8人が拘束されました。今回の1.16トンは、直近に公表された大規模な海上摘発に並ぶ量です。8月の作戦にはタイ当局も関わり、3カ月にわたって複数国が情報を収集していました。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、東アジアと東南アジアで2025年に押収されたケタミンは52.5トンで、前年から185%増え、過去最高でした。同じ年のメタンフェタミン押収量は349トンで、前年比48%増でした。

UNODCは、東南アジアを主な供給地域とする流れに加え、欧州から東アジア・東南アジアへのケタミン密輸も増えているとしています。

海上交通路が密輸に使われる地域

インドネシア、マレーシア、フィリピンを結ぶスールー海・セレベス海周辺は、東アジアと東南アジアの犯罪組織が使う密輸ルートとして重要性を増しています。この海域では船舶の往来が多く、違法な積み荷を正規の貿易に紛れ込ませる手口が確認されています。

UNODCは、同地域の犯罪組織が物品の密輸に加え、金融決済や詐欺などを支える仕組みを共有する傾向を指摘しています。UNODCは、東アジア、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドにおける2025年の詐欺被害額を合計883億〜1,141億ドル(約14兆〜18兆円)と推計しました。