
オーディオテクニカは、密閉型ヘッドフォンの新たなフラッグシップ「ATH-AWX7000」を11月6日に発売します。直販価格は599,500円で、同社が「トゥルークローズドバックアコースティック(TCbA)」と定義する設計を初めて採用しました。木曽檜のハウジングや和鹿革のイヤーパッドも特徴です。
密閉型の空気を生かす新設計
密閉型ヘッドフォンでは、振動板の前後にある空気が押し返す力が「空気のバネ」として働きます。オーディオテクニカによると、一般的な密閉型では振動板がこの力に押されて変形し、中高域の濁りやこもりにつながります。
ATH-AWX7000では、振動板の強度と正確性を高め、ヘッドフォン内部から外耳道までの空気を一体で駆動する設計を採用しました。オーディオテクニカは、密閉型の低域のエネルギーとダイナミックレンジを生かしながら、中高域の濁りを抑えることを目指しています。
TCbAは、空気のバネを制御するオーディオテクニカ独自の設計思想です。ATH-AWX7000はその第一号で、開放型フラッグシップ「ATH-ADX7000」と並ぶ製品です。
HMD振動板と58mmドライバー
ドライバーは、新開発の振動板技術「HMD」とドライバー製造技術「HXDT」を組み合わせた58mm径です。HMDは振動板の中心部と外周部に異なる素材を使い、大入力時に素材の境目へかかる応力を分散する構造です。
HXDTは、バッフルや磁気回路、ボイスコイル、振動板を同軸上に配置する製造技術です。オーディオテクニカは、従来製品に比べて製造誤差を10分の1に抑えたとしています。
オーディオテクニカによると、HMDとHXDTを組み合わせることで振動板全体が一体となって動き、入力の大小による変形を抑えます。磁気回路には、磁気の流れが均一になるよう設計された無方向性電磁鋼板を採用しました。
木曽檜と和鹿革を採用
ハウジングには、木材として成熟するまでに樹齢300年を要する木曽檜を使っています。木曽檜は国有林から譲り受け、1,500年以上の歴史を持つ越前漆で職人が筆塗りして仕上げます。
イヤーパッドには和鹿革を採用しました。オーディオテクニカは、肌触りと密閉感を備えた素材としており、この密閉感がTCbAの設計で重視する空気のバネを支えると説明しています。
スライダーはアルミニウムの無垢材から削り出し、フレームとアームにはマグネシウムを使っています。新設計のヘッドバンドを組み合わせ、ケーブルを除く重量は約353gです。
付属品と試聴機会
付属ケーブルは、長さ2.5mのXLR端子付きバランスケーブルと、長さ3.0mのφ6.3mmステレオ標準プラグ付きアンバランスケーブルです。A2DCコネクターでヘッドフォン本体に接続します。収納・持ち運び用のケースも付属します。
主な仕様は、出力音圧レベル97dB/mW、再生周波数帯域5Hz~50kHz、最大入力1,000mW、インピーダンス48Ωです。オーナー登録をすると、通常1年の保証に1年が延長され、専用イヤーパッド左右1セットを受け取れるサービスも利用できます。
11月7日開催の「ヘッドフォン祭 2026秋」では、オーディオテクニカのブースで展示と試聴を実施します。開放型のATH-ADX7000との聴き比べもできます。











