
約4,000年前の足跡が残る泥レンガ
トルコ西部のタヴシャンル・ホユックで、約4,000年前のものとみられる犬の足跡が付いた泥レンガが見つかりました。レンガは青銅器時代の建物に使われた可能性があり、当時の人々の暮らしを伝える痕跡の一つです。
トルコ文化観光相のメフメト・ヌリ・エルソイ氏は、遺跡の写真とともに足跡を紹介しました。現地では、ビレジク・シェイフ・エデバリ大学のエルカン・フィダン氏が率いる調査チームが2021年から活動しています。
泥レンガは、粘土などを型に入れて乾燥させた建築材です。
青銅器時代に広がった集落
タヴシャンル・ホユックは、トルコ西部のキュタヒヤ県、タヴシャンル平原の中央部に位置します。2021年の調査では、青銅器時代の土器などが約44ヘクタールに分布し、遺丘は平原の現在の地表から約14メートルの高さにあることが報告されました。
同調査では、前期・中期・後期青銅器時代の土器が確認されています。放射性炭素年代測定では、炭化物などの試料から紀元前3100~2925年や紀元前2500~2395年といった年代が得られ、深い層からは紀元前6074~5988年にあたる試料も見つかりました。
タヴシャンル・ホユックでは、紀元前3200年から紀元前1700年までの約1,500年間、途切れずに人が暮らしたとされています。集落は成長して大きな都市となり、紀元前1700年代の大規模な攻撃と火災の後、約250~300年間は居住が途絶えたとされています。
東西の交流を伝える出土品
この遺跡は、東西を結ぶ位置にあります。2022年には、ヒッタイト帝国やエーゲ海世界のミノア・ミケーネ文化を思わせる意匠を持つ土製の印章と、ミケーネの剣の先駆けを連想させる短剣が見つかりました。
2024年には、東西間の交易との関係を示すものとして、ファイアンス製の円筒印章が出土しました。また、約4,200年前のヘーゼルナッツの遺存物も発見されており、数十点からなる保存状態のよいまとまりです。
トロイア遺跡で知られるフクロウ顔の偶像も、この遺跡で多数見つかっています。こうした品々と犬の足跡は性質の異なる発見ですが、建物や道具だけでなく、人や動物の痕跡も遺跡に残っています。
犬の痕跡から見える古代の暮らし
アナトリアでは、犬の埋葬が行われた例が銅石器時代までさかのぼります。ヒッタイト時代には、犬が埋葬の習慣だけでなく宗教儀礼にも関わっていたことが、考古学的資料や文書から確認されています。
西アナトリアでは、紀元前6世紀以降に犬の埋葬例が見られます。サルディスのリュディア時代の地層では多くの例が確認され、コロポンなどのギリシャ都市やフリギアの都市ドリュライオンでも犬の埋葬が見つかっています。
足跡の残るレンガは、埋葬や儀礼とは異なる形で犬の存在を伝えています。遺跡では少なくとも30年間の発掘が計画されており、調査は文化観光省の許可と支援のもとで進められています。










