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出典: Sigmalive English

ケコヴァ島沖で見つかった青銅器時代の船

トルコ南部アンタルヤ県のケコヴァ島沖で、約4,400〜4,700年前の難破船が見つかりました。年代は初期青銅器時代にあたり、これまで知られていた世界最古の難破船の記録を更新します。

遺跡は水深約30メートルの海底にあり、船体の木材は残っていません。海底の斜面には、両側に持ち手がある大型の陶器「アンフォラ」が30個以上散らばり、石製の錨も3点見つかりました。

船の長さは約10メートルと推定され、地中海を航行して荷を運ぶ小型船だったと考えられています。従来、最古とされていたのはギリシャ南部ドコス島沖の約4,200年前の難破船でした。

土器の形と装飾から年代を推定

木材が残っていないため、有機物の炭素を測る放射性炭素年代測定は使えませんでした。そこで、アンフォラの形や装飾を、エジプトや中東で見つかった年代の分かる土器と比較し、船の年代を推定しました。

ケコヴァ沖の土器には、持ち手が2つあり、胴の中央に隆起した帯があり、底が平らという特徴があります。装飾の技法も含めた比較から、研究チームは初期青銅器時代のものと判断しています。

2024年の調査では難破船とアンフォラが記録され、2024年と2025年に各1点が回収されて詳しく調べられました。回収品は技術的な特徴や粘土の組成、用途が異なります。現場で見つかったほかの土器も、形が似ていても技術面や装飾面で同一ではありません。

残留物が残るアンフォラと積み荷

回収されたアンフォラの一部は壊れずに残り、内部には粘りのある光沢を帯びた残留物が見つかりました。何を入れていたかを調べる作業が続いており、オリーブ油、ワイン、樹脂などが候補に挙がっています。

回収品のうち1点は、農産物を運ぶ商用容器として使われたアンフォラに似ています。上部には鋭い道具で刻んだ平行線が2本あり、胴の中央にはジグザグ模様があります。

残留物は、難破時の積み荷だけを示すとは限りません。容器が何度も使われ、別の品を入れていた可能性も指摘されており、残留物の成分と容器の使用履歴を区別して調べる必要があります。

東地中海交易の手掛かりと今後の調査

船は東地中海沿岸のどこかを出発し、現在のトルコ北西部にあったトロイ、またはクレタ島のミノア人のもとへ向かっていた可能性があります。研究チームは、難破船が初期青銅器時代に東から西へ航行していた小型船だったと報告しています。

紀元前3千年紀には、ギリシャやエーゲ海の島々でワインやオリーブ油が生産され、古代エジプトや近東で需要の高い品でした。東地中海の交易はこうした地域を結び、ケコヴァ沖の船が運んだ可能性のある品々も、その交易圏に位置づけられます。

2026年には、海底の砂地と岩場にある、現在見えている地点より浅い場所や深い場所で発掘が予定されています。研究チームは、そこで難破船のさらなる遺構が見つかる可能性を見込んでいます。