
11月9日にサーバーを停止
ロシアの独立系新聞ノーヴァヤ・ガゼータは、当局からの圧力を受けて活動を終えると発表しました。編集部は11月9日に事務所の明かりを消し、サーバーを停止するとしています。
編集部は声明で、ロシア当局と治安機関によって業務の停止を強いられたと述べました。編集長のセルゲイ・ソコロフも動画で廃刊を伝え、編集部が30年間過ごした場所を離れると話しました。
声明の末尾では、最後の号を発行する予定も示されました。編集部は、読者から寄付を受け取る仕組みが停止され、事務所の移転準備を進めているとも記しています。
発行停止に至るまでの経緯
ノーヴァヤ・ガゼータは1993年に創刊され、ロシア国内外の汚職やチェチェン紛争をめぐる調査報道を続けてきました。記者や寄稿者6人が仕事に関連して殺害されたとされ、編集長を務めたドミトリー・ムラトフは2021年にノーベル平和賞を共同受賞しました。
ロシアのウクライナ全面侵攻後、同紙は国内での発行を縮小しました。2022年3月、検閲機関から2度目の警告を受けた後、編集部はオンライン版と紙面の発行を戦争終結まで停止すると発表しました。
同年9月には、モスクワの裁判所が紙媒体の発行ライセンスを取り消しました。規制当局は2006年の所有権変更に関する書類の未提出を理由に挙げ、編集長のムラトフは判決を不当だとして控訴する意向を示しました。
「外国代理人」指定と報道への制約
ロシアでは、ノーヴァヤ・ガゼータが「外国代理人」に指定されていました。2019年時点の法律では、外国資金を受け取る報道機関などが対象となり、出版物に指定を明記する義務や、報告要件、活動上の制限が課されていました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、規則に従わない場合の行政・刑事罰には、最大50万ルーブルの罰金や最長2年の拘禁が含まれていました。 同団体は、当時審議中だった改正案が、国外から資金を受け取る個人のブロガーや記者にも指定を広げる内容だと説明していました。
2026年9月には、編集部全体が「外国代理人」に指定され、編集者や執筆者を含む100人以上が登録対象になったと、ノーヴァヤ・ガゼータの声明は述べています。 同紙は2022年にメディア登録を失い、ウェブサイトも遮断されたと振り返り、今回の停止を一連の制約の末に位置付けました。
編集部が挙げた圧力
編集部によると、編集長宅と編集部の事務所が捜索を受け、編集長のソコロフは10月に事情聴取を受けました。編集長宅の捜索は、同僚のオレグ・ロルドゥギンに関する刑事事件との関連を理由に実施されたと当局は説明しています。
ロルドゥギンは4月に逮捕され、コンピューター情報への不正アクセスで起訴されました。ノーヴァヤ・ガゼータの声明は、同氏が記者として働いたことを理由に人質のように扱われたと批判しています。
編集部は、侵攻後に報道を制限する法律が導入され、印刷所を失い、複数の従業員が国外へ移ったとも述べました。 国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルクは閉鎖に懸念を表明し、ロシアに残る独立系メディアへの打撃だと述べています。









