
3社がAd Reach MAXの運営会社を設立
日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビは、テレビ広告取引基盤「Ad Reach MAX プラットフォーム(AdRM-PF)」を運営する新会社、株式会社アドリーチマックスを設立します。事業開始は2027年2月の予定です。AdRM-PFは、日本テレビが開発してきた地上波テレビ広告向けの仕組みで、新会社が企画・開発・運営を引き継ぎます。
3社が出資する新会社は、資本金1億円で、代表取締役社長には日本テレビの松本学氏が就く予定です。AdRM-PFの技術とノウハウも日本テレビから承継します。事業開始までは準備会社として運営します。日本テレビからの事業承継には、2026年11月に予定する取締役会の承認が前提となります。
新会社を設ける目的は、系列や放送局の枠を越えて参加局を増やし、テレビ広告の共通基盤として育てることです。日本テレビは、独立した経営体制によって意思決定を速め、継続的な投資や開発を進める方針です。3社は放送局を横断する広告在庫の活用やデータの蓄積を進め、プランニングから購入、効果検証までを一体的に行える環境を目指します。
広告枠の購入と効果確認をオンライン化
AdRM-PFは、広告主や広告会社がテレビ広告をプランニングし、購入し、効果を検証するための取引基盤です。インプレッション(広告の表示・接触回数)やリーチ(広告が届いた人数)など、デジタル広告でも使われる指標を採用しています。2025年4月に運用を始め、2026年9月時点で取引実績のある広告主・広告会社は約200社です。
従来のタイム枠・スポット枠とは異なる選択肢として、プログラマティックな広告売買を実現する仕組みです。広告枠は、Webサービス「スグリー」や、外部のDSP(広告主側の広告配信システム)・SSP(媒体側の広告枠販売システム)と接続する「AdRM-EXchange」を通じて売買できます。日本テレビは、オンライン取引を通じて多様なマーケティングニーズに合わせた購入や効果検証を可能にすることを目指しています。
運用面では、スグリーを使って最短で当日に広告を発注でき、放送直前までクリエイティブを変更し、放送後にインプレッション数やリーチ数を確認できます。電通とのAPI連携では、広告会社のシステムとAdRM-PFをオンラインでつなぎ、広告素材の割り付けを柔軟に行う仕組みが計画されました。電通は、クリエイティブ変更について放送20分前までのリクエストを推奨し、対象商品では出稿実績を最短15分で確認できると案内しています。
参加局を広げ、2028年まで接続を予定
読売テレビと中京テレビは2026年10月からAdRM-PFを利用しています。札幌テレビと福岡放送は、2027年3月頃に広告セールスを始め、4月からの放送開始を目指します。TBSテレビは2027年春頃、フジテレビは2028年春頃に接続する予定です。
TBSテレビは2025年9月、日本テレビとAdRMプロジェクトの基本合意を結び、2027年春の参画に向けて準備するとしていました。同プロジェクトは、オンラインでのプログラマティック取引に加え、TVerなどのデジタル広告との統合セールスを目指す構想です。TBSテレビは新会社への出資を通じ、従来のタイム枠・スポット枠とは異なる広告価値を提供する考えを示しています。
新会社の事業開始後は、放送局やエリアの拡大に合わせて、局をまたいだ広告在庫の活用とデータの蓄積を進める計画です。日本テレビ系列外のTBSテレビとフジテレビも接続を予定しています。参加局の増加に伴い、利用できる放送局・エリアも広がります。











