
米国のフードテック企業Wonderが、株式上場に向けた登録書類案を米証券取引委員会(SEC)に秘密裏に提出しました。株式数と価格帯は未定で、上場は市場環境などを条件としています。
株式数と価格帯は未定
Wonder Groupは2026年11月5日、クラスA普通株の新規株式公開(IPO)に関する登録書類案をSECに提出したと発表しました。提出は秘密扱いで、株式の発行数と価格帯は決まっていません。
計画中のIPOは、市場やその他の条件に加え、SECによる審査の完了を前提としています。
IPOで調達した資金について、創業者のマーク・ロア氏は、買収を進め、食へのアクセスを広げる目標に取り組むために活用できると述べています。
配達中心から実店舗型へ
Wonderは2018年にロア氏が創業した企業です。当初は移動式キッチンを備えたバンで料理を届ける構想でしたが、現在は米国内に約170の実店舗を展開し、持ち帰りと配達に対応しています。
各拠点では、複数の飲食ブランドのメニューを一つのキッチンで調理し、注文を受け付けています。外部ブランドに厨房を貸すゴーストキッチンとは異なり、Wonderは自社ブランドやシェフと組んだブランドを扱います。
Wonderは注文アプリ、食材調達、調理、配達を自社で担う垂直統合型の運営を掲げています。固定店舗への移行にあたり、バンを使った移動式キッチンの仕組みを終了し、配達、持ち帰り、限定的な店内飲食ができる拠点へ切り替えました。2023年にはニューヨーク市で最初の店舗を開く計画を立てていました。
買収で事業を広げる
Wonderは配達サービスのGrubhub、ミールキットブランドのBlue Apron、配達・物流事業者Relayなどを買収してきました。買収に少なくとも10億ドル(約1,600億円)を投じ、ベンチャー資金は累計で30億ドル(約4,800億円)を超えています。
同社は2026年にシリーズDの資金調達を実施し、調達前評価額は90億ドル(約1兆4,000億円)となりました。
Wonderは11月17日から「Wonder Create」を始める計画です。インフルエンサーや起業家、ブランドは月額10ドル(約1,600円)から、Wonderの拠点を利用した飲食事業を立ち上げ、注文に応じた売上の一部を得られる仕組みです。
上場後は投資家の評価も焦点に
ロア氏はCNBCに対し、IPOの調達資金でさらに買収を進める考えを示しました。
一方、最近は消費者心理の弱さが外食企業の株価を圧迫し、幅広い業種で市場の変動がIPO環境を不安定にしています。
ロア氏はこれまでDiapers.comとJet.comを創業し、それぞれAmazonとWalmartに売却しました。











