
光が1日で進む距離に到達へ
ボイジャー1号は2026年11月18日午前5時16分(米東部時間)、地球から1光日の距離に達する見込みです。 1光日は時間の長さではなく、光が24時間で進む距離を指します。
NASAが示す1光日の距離は約259億キロメートルです。 地球から月までの平均距離は約38万4,400キロメートル、太陽までは約1億5,000万キロメートルで、光は太陽から地球まで約8分20秒かけて届きます。
この到達は、地球から1光日離れた人類製の物体として初めての記録になります。 ボイジャー1号は1977年に打ち上げられ、当初は木星と土星の探査を目的としていました。
木星・土星探査から星間空間へ
ボイジャー1号は木星と土星を通過した後、太陽系の外縁へ向かう航行を続けました。 2012年8月には、太陽風や磁場の影響が及ぶ領域であるヘリオスフィアを越え、星間空間に入りました。
木星では薄い環と衛星のテーベ、メティスを発見し、土星では5つの衛星とG環を見つけました。 土星の衛星タイタンの観測では、厚い大気があり、その大気の90%を窒素が占めることが分かりました。
星間空間に入った後、探査機は宇宙線の強度や磁場、星間物質の密度を測定しました。 NASAは現在もボイジャー1号がデータを収集しているとしています。 双子機のボイジャー2号は別の経路を進み、天王星と海王星を訪れました。
放射性同位体発電機が支える運用
ボイジャー1号は、プルトニウム238の自然な崩壊で生じる熱を電気に変える放射性同位体熱電発電機(RTG)を3基搭載しています。 RTGは異なる金属を使った熱電対で温度差から電流を生み、可動部品を使いません。
打ち上げ時、ボイジャー1号のRTGはそれぞれ約158ワットの電力を出していました。 NASAによると、ボイジャーのRTGは打ち上げから45年以上たった後も作動しています。 プルトニウム238の半減期は88年で、崩壊に伴う出力低下は緩やかで予測可能です。
太陽から遠く離れた探査機では、核反応による電力が機器の運用を支えています。 ボイジャー1号の電力は低下しており、NASAは運用を続けるため機器を順に停止する方針を採っています。 NASAは2026年4月に機器を1基停止し、電力を節約しました。
通信の遅れと今後の航行
探査機との距離が広がるにつれ、信号の往復には長い時間がかかります。 2024年のメモリー障害では、地上との通信に片道22時間以上、往復で少なくとも45時間を要する距離で、技術者が数週間かけて修復しました。
2026年には電力低下を受け、NASAが緊急の機器停止手順を実施しました。 ボイジャー1号の電源である3基のRTGは、2030年代まで運用に必要な電力を供給できると専門家が見積もっています。
探査機はこぐま座の恒星グリーゼ445(AC +79 3888)の方向へ進んでいます。 約4万年後に恒星から約1.7光年の距離を通過する見込みです。 光速に比べて探査機の速度は小さく、NASAが示す速度は時速約6万1,000キロメートルです。








