NVIDIA RTX PRO 5500 Blackwell Workstation Edition
出典: nvidia.com

中国企業の注文に対し、当面の納入は限定的

NVIDIAのワークステーション向けGPU「RTX PRO 5500」は、中国企業からの大規模な注文に対し、今後数カ月に納入されるのは数万基程度になる見通しです。注文の約1%に相当するとされ、需要に対して供給が大きく不足しています。

ByteDance、Alibaba、Tencentなどの中国企業が注文したとされるRTX PRO 5500の受注額は、合計700億ドル(約11兆円)に達したと報じられています。1基あたりの価格は1万1,000ドル(約170万円)とされています。

この受注額は、先行報道で示された350億ドル(約5兆5,000億円)から増加した数字です。先行報道では、注文数は300万基超とされていました。

2026年末に初回分、2027年末までに70万基の見込み

中国の開発企業は、初回分として数千基を2026年末までに受け取る見込みです。NVIDIAが生産を増やし、2027年末までに納入される台数は70万基になると予測されています。

短期の納入見通しと、2027年末までの予測には大きな差があります。注文全体に対する供給の遅れが続くなか、生産増加に伴う納入数の見通しも示されています。

RTX PRO 5500は、AI処理にも使えるワークステーションGPUです。NVIDIAの製品情報では、84GBのGDDR7メモリーを備え、大規模言語モデルの推論や生成AI、コンピュータービジョンを用途に挙げています。

ワークステーションでAI処理やシミュレーションに使うGPU

ワークステーションGPUは、AI推論のほか、物理シミュレーションやグラフィックス処理にも使われます。RTX PRO 5500は、AIとグラフィックスを扱う専門作業向けの製品として位置づけられています。

製品はラック搭載型ワークステーションでの運用にも対応し、組織内でGPUを集約して複数の利用者が共有する構成を想定しています。冷却方式には空冷と液冷があります。

仕様はBlackwellアーキテクチャ、84GBのECC対応GDDR7メモリー、最大600Wの消費電力です。NVIDIAはマルチインスタンスGPU機能について、1基を最大84GBの1インスタンス、または最大42GBずつの2インスタンスに分割できると説明しています。

輸出規制と供給制約

RTX PRO 5500は、RTX 5090やH200、B300などと異なり、中国向け輸出の制限対象ではない製品として扱われています。中国企業の注文が集まる背景には、AI向けに使える仕様と輸出上の扱いがあります。

米国の輸出管理では、先端チップの処理性能や性能密度に加え、データセンター向けに設計または販売されているかが規制判断の基準として使われてきました。2023年の規制更新では、ゲーム向けを含むチップも性能基準によって対象となり、輸出先に応じてライセンスの要否が分かれる仕組みが説明されています。

供給面では、RTX PRO 5500の需要がNVIDIAの計画生産を大きく上回っています。NVIDIAは出荷数へのコメントを控える一方、米国の輸出規制と中国側の米国製品輸入制限を批判しました。