冷水シャワーを習慣にした参加者は、そうでない参加者と比べ、病気による欠勤日数が少なかったとする分析結果が公表されました。別の小規模試験では免疫に関わる血液指標の変化も報告されていますが、病気にかかる頻度が下がるかどうかは、これらの結果だけでは分かりません。
719人の分析で病気による欠勤が減少
スイス・バーゼル大学の心理学者レナ・グレーザー氏は、博士論文の研究として、冷水シャワーの健康や心理面への影響を調べました。3件のランダム化比較試験に参加した計719人のデータをまとめた分析では、定期的に冷水シャワーを浴びた人は、習慣にしなかった人に比べて病気による欠勤日数が31%少なくなりました。
また、主に温水シャワーを浴びた参加者と比べると、冷水シャワーを浴びた参加者の自己申告による病気の日数は26%少ない結果でした。欠勤日数と病気の日数は別々に集計されており、いずれも参加者の報告に基づいています。
対象は、健康状態に問題がなく、もともと冷水シャワーを習慣にしていない18〜65歳の人たちでした。参加者は12週間、各自の設備で可能な限り冷たい水を使ってシャワーを浴びるよう求められました。
心理面の自己評価と継続状況
実験中の質問票では、冷水シャワーを浴びた参加者から、心理的なウェルビーイングがわずかに改善したとの回答がありました。身体面のウェルビーイングにも改善の兆候が見られましたが、統計的に有意な結果ではありませんでした。
参加者の多くは開始から最初の2週間で実験をやめましたが、その後は離脱率が下がりました。少なくとも実施予定の70%を続けた人では、試験ごとに、各週で冷水シャワーを浴びたと答えた割合の平均が77.3〜90%でした。
こうした経過から、グレーザー氏は参加者が徐々に冷水に慣れた可能性を挙げています。一方、結果は自己申告に基づき、実際に冷水シャワーを浴びた頻度に応じて参加者を分けた分析も含みます。研究成果は学術誌に投稿されているものの、ScienceAlertが紹介した時点では査読前でした。
免疫指標を調べた別の90日試験
2024年に公表された別の試験では、健康な成人60人を、毎日冷水シャワーを浴びる群と温水シャワーを浴びる群に分け、90日間調べました。血液検査では、冷水群の免疫グロブリンIgG、IgA、IgMが開始時より有意に高くなりました。免疫グロブリンは抗体に関わる指標です。
細胞性免疫や炎症に関わるサイトカインでは、冷水群のIL-2とIL-4が90日目に有意に上昇しました。一方、IFN-γとTNF-αには有意な変化がありませんでした。変化が確認された指標は一様ではありません。
この試験が測ったのは血液中の免疫指標で、参加者が実際に病気になったかどうかではありません。したがって、指標の変化を、感染の予防や病気の日数の減少と同じ結果として扱うことはできません。冷水シャワーと病欠の分析をつなぐ生物学的な仕組みも、今回の719人の分析では調べられていません。
シャワー習慣の環境面と実験後の課題
グレーザー氏の研究では、冷水シャワーを環境に配慮した習慣として続けやすくする心理的な要因も扱われました。バーゼル大学は、冷水シャワーでは水を温めるエネルギーが減り、シャワー時間が短くなれば水の使用量も減ると説明しています。
大学が示した試算では、45リットルのシャワーで水温を40度から15度に下げると、エネルギーを1.3キロワット時節約できます。12週間の試験では、参加者1人あたりの二酸化炭素排出量が15キログラム減少し、車で100キロメートル走行した場合の排出量におおむね相当しました。
ただし、参加者が試験終了後も冷水シャワーを続けたかどうかは分かっていません。グレーザー氏は、試す場合は水温を徐々に下げ、日によって無理のない温度に調整する方法を挙げています。










