メタボリックシンドロームの男性23人が、食事を午前8時から午後4時までに限る生活を1カ月続けたところ、MRIによる推定脳年齢の実年齢との差が約9カ月縮まり、単語記憶課題の一部の成績が上がりました。 ただし、対象は少人数の男性で、介入前後の変化を調べた研究です。女性や他の健康状態の人にも同じ結果が当てはまるとは限りません。
8時間の食事時間を1カ月実施
メタボリックシンドロームは、腹囲、血中脂質、血圧、血糖などのリスク要因が重なる状態です。今回の研究には、診断基準を満たす25〜55歳の男性23人が参加しました。
参加者はまず1カ月、普段の食事と運動を続け、その後の1カ月は毎日午前8時から午後4時までの8時間に食事を取りました。食べる量や食品の種類は制限せず、食事時間外は水だけを飲む方法でした。
研究チームは介入の前後に体重や血液検査、記憶課題、脳の構造MRIを調べました。全員がプログラムを完了し、平均体重は約4.4キログラム減少しました。
記憶課題と脳年齢の推定値に変化
単語を聞いて覚える課題では、直後に思い出す成績が平均約19%上がり、時間を置いて思い出す成績も同程度に上昇しました。妨害用の別の単語リストを覚える課題では、有意な変化はありませんでした。
脳年齢は、構造MRI画像を機械学習モデルで解析して推定した値です。開始時には参加者の推定脳年齢が実年齢より平均約2.8歳高く、1カ月後にはその差が約2.0歳になりました。
MRIの解析では、左の視床、海馬、黒質、赤核で灰白質の体積増加が見られました。視床の体積変化と直後の記憶課題の変化には負の相関がありましたが、他の3領域の変化は記憶成績との有意な相関を示しませんでした。 これらの結果は同じ期間に観察された変化であり、食事時間の変更が脳や記憶の変化を引き起こしたと確定するものではありません。
カロリー制限を伴う女性の試験との比較
別の無作為化試験では、過体重または肥満の閉経後女性47人を、通常に近い12時間の食事時間を取る群と、より早い時間帯に食べる群に分けました。両群とも、食事から1日500キロカロリーを減らしました。
6カ月後、両群の体重減少はほぼ同程度でしたが、早い時間帯に食べた群では、計画や問題解決などの実行機能と、記憶・学習の検査成績が改善しました。 この試験では、体重減少が同程度でも食事時間の異なる群で認知課題の結果に差が見られています。
一方、この試験の対象は閉経後の女性で、今回の男性23人の研究とは性別や期間、食事制限の条件が異なります。女性の試験では両群がカロリー制限を行っているため、食事時間の効果を食事量の変化から切り分けるうえで参考になりますが、今回の結果を直接再現したものではありません。
食事時間と血糖調節を調べた統合分析
食事と絶食の周期は、代謝機能の日内リズムを調整する分子時計と関係しています。時間制限食の効果を調べたレビューは、4週間以上の管理された研究20件を整理し、そのうち18件、計1,169人をメタ分析に含めました。
統合結果では、時間制限食全体で空腹時血糖に有意な変化はありませんでした。一方、HbA1cと空腹時インスリンは低下し、インスリン抵抗性の指標も低下する傾向を示しました。
食事時間を早めた研究に絞った分析では、空腹時血糖の低下が確認されました。 今回の男性の研究でも血糖やインスリン抵抗性の改善が見られていますが、食事時間が脳年齢や記憶に関わる仕組みまで、これらの結果から特定することはできません。










