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米国の成人を対象にした調査データの分析では、大麻を使う人は使わない人に比べ、心血管疾患の既往を報告するオッズが高く、とくに脳卒中との関連がみられました。使用頻度が低い人にも関連がありましたが、この研究から大麻が疾患を引き起こすとは証明されていません。

44万人超の回答から心血管疾患との関連を分析

研究チームは、米国の成人44万2,906人を対象に、行動リスク因子サーベイランスシステム(BRFSS)の2020〜2024年の電話調査データを分析しました。BRFSSは、健康状態や健康に関わる行動などを尋ねる米国の電話調査です。

対象者の平均年齢は49歳で、約半数が女性でした。大麻の使用日数は過去30日間について尋ね、1〜5日を低頻度、6〜15日を中頻度、16〜30日を高頻度に分類しました。

調査では、心臓発作、心臓病、心臓に関係する胸痛、脳卒中について、医療専門職から診断されたことがあるかも尋ねました。分析では年齢などの属性に加え、たばこ、飲酒、肥満、糖尿病、運動不足などを考慮しました。

低頻度と高頻度の両方で脳卒中との関連

大麻を使わない人と比べ、月1〜5日使う人は心血管疾患の既往を報告するオッズが23%高く、月16〜30日使う人では21%高くなりました。オッズは、ある結果が起きる相対的な度合いを示す指標です。

脳卒中との関連は、低頻度の使用者でオッズが40%高く、高頻度の使用者では25%高い結果でした。使用日数が増えるほど関連が強まるという単純な傾向にはなっていません。

報告された使用頻度と心臓発作との間には、統計的に有意な関連が認められませんでした。喫煙か食用製品かによる違いも、分析結果には表れませんでした。

過去の研究も脳卒中などとの関連を報告

2024年に公表された米国成人43万4,104人の横断研究では、毎日大麻を使う人は、脳卒中の既往を報告するオッズが1.42倍でした。同研究では心筋梗塞のオッズも1.25倍で、使用日数が多いほど複数の心血管疾患との関連が強まる傾向が報告されています。

同じ研究では、たばこを吸ったことのない人に限っても、毎日の大麻使用と脳卒中や心筋梗塞などとの関連がみられました。今回の分析では使用頻度と心臓発作に有意な関連がなかったため、過去の研究と今回の結果はすべての項目で一致しているわけではありません。

2023年までに公表された研究を集めた系統的レビューとメタ分析には、24本の研究が含まれました。統合分析では、大麻使用は急性冠症候群、脳卒中、心血管疾患による死亡のそれぞれと関連し、脳卒中のリスク比は1.20でした。

因果関係の証明には至らず、結果は予備的

今回の研究は、調査時点の回答と疾患の既往を分析した観察研究です。そのため、大麻使用が疾患を引き起こしたのか、疾患の診断後に使用を減らした人がいたのかは、この分析では判別できません。

大麻使用と診断歴は参加者の自己申告に基づき、製品のTHC濃度や摂取量も調べていません。また、大麻に関する質問を実施した州などに対象が限られ、全米のすべての州を含む分析ではありません。

この研究は学会発表用の抄録に基づいており、査読済みの論文として公表されるまでは予備的な知見です。研究者は、心血管の健康について話し合う際に大麻の使用を取り上げる重要性を指摘しています。