
水星は太陽に最も近く、金星の約4倍の太陽放射を受けます。それでも表面温度は昼夜で大きく変わり、昼の最高約427℃に対し、夜は約マイナス180℃まで下がります。一方、金星の表面温度は昼夜を問わず約440〜480℃に保たれ、水星の最高温度を上回ります。太陽からの距離だけでは、惑星の表面温度は決まりません。

水星は昼に熱く、夜に急激に冷える
太陽光は光源から遠ざかるほど広い範囲に広がり、単位面積が受けるエネルギーは距離の2乗に反比例して減ります。そのため、太陽に近い水星は金星より多くの光を受けます。

水星は金星より暗く、受けた太陽光をより多く吸収します。それでも、太陽光が当たる昼の最高温度は約427℃で、夜には約マイナス180℃まで下がります。

昼に受け取った熱は夜まで保たれません。水星の昼の最高温度も、昼夜を通じて高温を保つ金星には及びません。

金星では二酸化炭素が熱を閉じ込める
金星の大気は二酸化炭素が主成分で、その割合は約96.5%です。表面から放出される赤外線を吸収する温室効果ガスが多く、大気の圧力も高いため、金星の温室効果は523℃に達するとされています。

環境省によると、太陽光のような波長の短い光は温室効果ガスに吸収されにくい一方、地表から放射される波長の長い赤外線は吸収されます。ガス分子は吸収したエネルギーをあらゆる方向へ再放射し、その一部が地表へ戻ります。
この仕組みにより、地表から宇宙へ逃げる熱の一部が大気と地表の間にとどまります。地表に届く太陽光が地球の約10分の1とされる環境でも、金星の表面温度は450℃を超えます。
厚い大気が昼夜の差を抑える
金星の地表温度は約440〜480℃の範囲にあり、昼も夜も水星の昼の最高温度を上回ります。太陽から受ける光の量が少なくても、大気が赤外線を吸収して地表へ戻すため、表面の熱が保たれます。
金星の厚い大気は光を拡散させます。大気の影響で昼と夜の境界が広く見える様子は、日本の探査機「あかつき」が撮影した赤外線画像にも捉えられています。
金星では、温室効果がない場合の表面温度はマイナス46℃と推計されています。実際の高温との差は、大気の温室効果の大きさを示します。太陽光の吸収量だけでなく、地表から放出される熱を大気がどう扱うかが、水星と金星の温度差を生んでいます。
表面温度の比較で見える大気の役割
金星の雲は太陽光を反射し、地表に届く光を弱めます。それでも二酸化炭素を多く含む大気が赤外線を吸収して地表へ再放射するため、表面は高温に保たれます。











