
白色矮星の色を左右する大気
白色矮星は、太陽ほどの質量を持つ恒星が燃料を使い果たした後に残す高密度の天体です。恒星の色は温度で決まると考えられてきましたが、研究チームは白色矮星では大気の化学組成も色を変えることを示しました。
白色矮星をつくる物質は水に近い密度で、太陽の表面より何百万倍も高密度です。この環境では、炭素やカルシウム、ナトリウムなどが周囲のヘリウムプラズマと相互作用し、低密度の場合より広い範囲の光を吸収できます。
研究チームのモデルでは、大気に含まれる元素によって色の傾向が異なります。炭素が豊富な白色矮星はピンクや紫色、惑星系の破片を取り込んだ白色矮星は黄色になる可能性があり、水素とヘリウムが混ざった低温の白色矮星はシアンや淡い青色を帯びるとされます。
WD J1330+6435が緑色に見える理由
緑色に見えるとされた天体は、地球から約326光年離れた白色矮星WD J1330+6435です。この天体は周囲の惑星に由来する岩石物質を取り込み、大気にカルシウム、リチウム、ナトリウムが加わっています。
研究チームのモデルでは、大気中のナトリウムがスペクトルのオレンジ色の光を吸収し、残る光によって緑色の輝きが生じます。
研究チームは、恒星の中でも死んだ星の中でも、緑色だと信頼できる形で報告された例はこれまでなく、WD J1330+6435を初の緑色の星と位置付けています。
惑星の破片が白色矮星へ届くまで
白色矮星の周囲にある小惑星などは、軌道を乱されて星に近づき、潮汐力で引き裂かれることがあります。潮汐力とは、天体の場所による重力の差で物体を変形させる力です。破片は白色矮星の周囲に、細長く偏った軌道を持つ円盤をつくります。
破片はすぐには星へ落ち込みません。破片同士の軌道にはずれがあり、差動歳差運動などによって軌道の向きが変わると、高速の衝突が起き、破片が細かく砕かれて塵が生じます。
塵はその後、抵抗力を受けて軌道が円に近づき、白色矮星へ降り積もります。小さな破片だけが受けるポインティング・ロバートソン抗力では観測される取り込み速度を説明するには遅すぎると研究チームは試算し、衝突による破砕を含む過程を検討しています。
色の珍しさと別の例
白色矮星の色を調べた研究チームは、地球から約65光年以内にある151個のうち、特異な色を持つものは5個だったと報告しました。この割合を白色矮星全体に当てはめると、珍しい色の天体はおよそ30個に1個と推定されます。
別の例は、地球から約48光年の距離にある白色矮星WD J1011+2845です。深い対流層が内部の炭素を表面へ運び、炭素分子が光を変化させることで、濃いサーモンピンク色になるとされています。
研究チームは、色に違いがある白色矮星も、代表的な集団で平均すれば白色だとしています。












