Tea in different grade of fermentation
写真: Haneburger / Public domain / Wikimedia Commons

中国の成人約48万6,000人を追跡した研究では、習慣的に茶を飲む人は、飲まない人に比べて複数の血管疾患を合わせたリスクが11%低いことと関連していました。関連が最も低かったのは1日約6〜8杯の層で、紅茶では緑茶より一貫した関連が見られました。一方、非常に熱い茶を飲む習慣はリスク上昇と関連していました。茶の量に加え、種類や温度によっても関連に差が見られました。

約48万6,000人の追跡で見られた関連

対象は中国の成人485,934人で、追跡期間の中央値は9.05年でした。期間中に記録された血管疾患は14,863件で、心臓や血管の病気、脳へ血液を送る血管の病気、肺やその血管に関係する心疾患、末梢動脈疾患が含まれます。

茶を習慣的に飲む人では、これらを合わせた疾患リスクが飲まない人より11%低く、週1回以上飲む人の中では、1日約6〜8杯の層で推定リスクが最も低くなりました。茶の濃さでは、中程度の濃さを飲む人でリスクとの関連が最も低く、濃くするほど関連が強まる結果ではありませんでした。

ただし、この研究は日常の習慣と健康状態の関係を調べた観察研究です。茶を飲むことがリスク低下を直接引き起こしたと示すものではなく、飲む量や濃さについても、結果から一律の摂取目安を導くことはできません。

紅茶と緑茶で異なる関連

種類別では、紅茶を飲む習慣のほうが緑茶よりも、血管疾患リスクの低下と一貫して関連していました。紅茶と緑茶はいずれもチャノキから作られますが、茶葉の加工方法が異なります。紅茶では酸化が進み、緑茶では酸化を抑える処理が行われます。

茶に含まれるポリフェノールは植物由来の化合物群で、茶葉の種類や加工によって成分の構成が変わります。紅茶やウーロン茶などの発酵茶では、茶葉のカテキン類が酸化的に変化・重合し、新たなポリフェノールが生じます。紅茶に含まれるテアフラビン類も、カテキン類が酸化的に結びついてできる成分です。

こうした成分の違いが、研究で見られた紅茶と緑茶の関連差を説明するかどうかは明らかになっていません。酸化によってポリフェノールの種類や構造が変わることは報告されていますが、その化学的な違いだけから、血管機能への影響や疾患リスクの差を結論づけることはできません。

熱さに関する結果と生活習慣

茶を非常に熱い状態で飲む習慣は、血管疾患リスクの上昇と関連していました。この結果だけで、熱い茶が血管疾患を直接引き起こすとはいえません。

茶の摂取と喫煙、身体活動を合わせて分析したところ、茶を習慣的に飲み、現在喫煙しておらず、身体活動量が高い人の組み合わせで、血管疾患リスクが最も低くなりました。これは複数の習慣とリスクの関係を示す結果であり、茶だけの影響を切り分けたものではありません。

先行研究が示す範囲

中国の別の前向き研究では、30〜79歳の成人488,082人を対象に、茶の摂取と虚血性心疾患を調べました。追跡期間の中央値は7.2年で、虚血性心疾患24,665件と主要冠動脈イベント3,959件が記録されました。毎日茶を飲む人は、過去12カ月に茶を飲まなかった人に比べ、どちらの発生リスクも低いことと関連していました。

一方、毎日飲む人の分析では、茶の摂取量が多いほどリスクが段階的に下がる傾向は認められませんでした。虚血性心疾患との関連は農村部や非糖尿病の参加者などで異なり、対象者の属性によって結果に差がありました。こちらも観察研究であり、茶が疾患を予防するという因果関係を確立するものではありません。

緑茶や紅茶の介入試験をまとめたコクランのレビューは、11件のランダム化比較試験、計821人を対象としていました。試験期間は3〜6カ月で、茶や抽出物が血圧・コレステロール値に有益な変化をもたらす可能性が示されたものの、各分析の対象となる試験は少数でした。

血圧や脂質の変化は疾患そのものの発生を調べた結果とは異なります。レビューは、長期の予防効果を確かめるには、より長く、バイアスのリスクが低い試験が必要だと結論づけています。