
黒海でトウモロコシ運搬船が沈没
ウクライナのゼレンスキー大統領は、黒海でトウモロコシを運んでいた民間船がロシアの攻撃を受け、船長が死亡したと発表しました。ルーマニア当局は、同国の排他的経済水域で火災が起きた船から11人を救助し、2人の死亡を確認したとしています。
ゼレンスキー氏によると、攻撃にはドローン2機が関与し、乗組員1人の行方が分かっていません。乗組員にはアゼルバイジャンとインドの国籍者が含まれていました。
ルーマニア内務省は、船が同国の港スファントゥ・ゲオルゲから南へ約30海里の地点で沈没したと説明しました。ゼレンスキー氏は、船が中立海域にいたトルコ所有の民間船だったと述べています。
ルーマニアが発表した救助と死者数
ルーマニア当局は、現地時間11時ごろ、同国の排他的経済水域内にいた商船で火災が発生したとの通報を受け、救助活動を始めました。内務省は乗組員11人の救助と、2人の死亡を発表しています。
ゼレンスキー氏によると、船長が死亡し、別の乗組員1人が行方不明です。ルーマニア側の発表では2人が死亡しており、死亡者の状況について両者の説明は一致していません。
ロシア国防省は、それ以前に貨物船2隻を攻撃したと発表していましたが、この船への攻撃についてロシア政府から説明はありません。ロシアは日曜日、ゼレンスキー氏がロシアの製油所への攻撃を増やすと述べたことへの対応として、ウクライナ全土への攻撃を強化すると表明していました。
排他的経済水域と船舶の航行
排他的経済水域(EEZ)は、領海の外側に設定される海域です。国連海洋法条約では、沿岸国の領海は基線から最大12海里で、沿岸国の主権が及ぶ一方、すべての国の船舶に無害通航権が認められています。
EEZは原則として基線から最大200海里までで、沿岸国には天然資源の探査や管理などに関する主権的権利が認められます。日本の外務省は、EEZを領海や公海と区別し、沿岸国の権利や管轄権を定める海洋法上の区分と説明しています。

公海はどの国の領海やEEZにも含まれない海域で、すべての国が航行の自由などを享受します。船舶は公海では原則として旗国の排他的管轄権に服しますが、今回ルーマニアが火災を確認した場所は同国のEEZ内とされています。
穀物輸送をめぐる黒海の経緯
国連、トルコ、ウクライナ、ロシアの合意で2022年に始まった黒海穀物イニシアティブは、ウクライナのオデーサ、チョルノモルスク、イズニーの各港から穀物などを輸出する航路を設けました。日本の外務省によると、この枠組みでは発足から2023年7月までに、3,200万トンを超える穀物などが輸送されました。
ロシアは2023年7月17日に参加を終了し、イニシアティブは終了しました。日本政府は当時、ロシアに国際的な枠組みへの復帰とウクライナ産穀物の輸出再開を求める方針を示しました。
農畜産業振興機構がまとめた2023年の輸出状況では、同年7月時点で、トルコ、国連、ウクライナの協力による黒海回廊の継続が代替案として検討されていました。同機構によると、2022年8月から2023年4月までのウクライナ産トウモロコシ、小麦、大麦の輸出量は3,994万トンで、うち近隣5か国向けに連帯レーンを利用した輸出は1,130万4,000トンでした。











