
2026年の南極オゾンホールは、9月18日に最大面積約1,050万平方マイル(約2,710万平方キロメートル)に達し、48年間の観測で7番目の大きさとなりました。異例に強い極渦がオゾンの減少を長引かせた一方、オゾン層の長期的な回復傾向は続いています。
2026年は観測史上7番目の規模
NOAA(米海洋大気庁)とNASAの分析では、オゾンホールが大きくなりやすい9月7日から10月13日までの平均面積は約960万平方マイル(約2,500万平方キロメートル)でした。季節平均面積を基準にすると、2026年は48年間の観測で7番目の大きさです。
年内の最大面積は9月18日に記録され、過去最大だった2000年9月9日の約90%に達しました。2025年のオゾンホールは、1992年以降で5番目に小さかったと報告されており、年ごとの規模には大きな変動があります。
オゾンホールは、オゾンが完全になくなった穴ではなく、南極上空の成層圏でオゾン濃度が低下した領域です。オゾン層は太陽から届く有害な紫外線を吸収し、地表の生物を守る働きをします。
オゾンホールの面積を測る基準
NASAの定義では、オゾンホールの面積は、南緯40度以南でオゾン濃度が220ドブソン単位(DU)を下回る領域の広さです。ドブソン単位は、大気中のある地点から上空までのオゾン量を表します。
衛星は大気中のオゾンを観測し、基準を下回った場所を地図上で特定します。その範囲を面積として集計するため、オゾンホールの大きさは衛星観測に基づく指標です。
面積とは別に、オゾン濃度の最低値も観測されています。南極点直上では、気球に搭載した計測器などによる観測で、10月17日に年内最低の105ドブソン単位を記録しました。
強い極渦が寒冷な空気を囲い込む
極渦は、南極を取り巻く季節的な風の流れです。強い極渦は南極上空に冷たい空気を閉じ込め、オゾンを減少させる化学反応に必要な極成層圏雲ができる低温環境を保ちます。
人間が作り出した塩素や臭素を含む化合物が成層圏に運ばれると、紫外線によって分解されます。そこで放出された塩素や臭素が雲の粒子と関わり、オゾンを破壊する反応を進めます。
2026年は、極渦を弱める働きを持つ惑星規模の気象システムが、8月と9月に弱まりました。その結果、強い極渦の風が南極点から数度離れた位置にとどまり、オゾンの減少に適した条件が広い範囲に及びました。
長期的な回復と年ごとの変動
モントリオール議定書は、1987年に採択された、オゾン層を破壊する物質の生産と消費を抑える国際的な枠組みです。規制対象物質の大気中濃度は低下し、南極成層圏の塩素量も1980年代の水準と比べて約3分の1減りました。
2022年の国際評価では、南極のオゾン全量が1980年水準に戻る時期は2066年ごろと予測されています。2026年には、回復が今世紀後半に進むと予測されています。
南極点上空のオゾン濃度が年内最低となる時期や、オゾンホールの面積は年ごとに変動します。










