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AEP阻害で平均寿命が4カ月延長

中国の研究チームは、老齢マウスに酵素AEPの働きを抑える薬剤を与え、平均寿命が対照群より17%延びたと報告しました。投与群では記憶や運動能力などにも改善が見られましたが、今回の実験はマウスを対象としています。

AEPはアスパラギンエンドペプチダーゼの略称で、レグマインとも呼ばれます。ほかのタンパク質を切断する酵素で、加齢に伴って活性が高まることが、今回の研究の着眼点になりました。

実験では、開始時に約18カ月齢だったマウスの餌に、AEP阻害薬「#11a」を混ぜました。投与群の平均寿命は28カ月で、対照群の24カ月を4カ月上回りました。

寿命以外に見られた変化

#11aを与えたマウスは、加齢に伴う虚弱の指標が低く、運動、筋力、記憶の各テストでも良い成績を示しました。インスリンへの反応を含む代謝の状態にも改善が見られました。

研究チームは、投与群で炎症や細胞老化の兆候が少なかったことも報告しています。雄と雌の双方で複数の虚弱指標が改善し、身体機能と認知機能の加齢による低下も抑えられました。

これらの結果は、AEPの阻害が寿命だけでなく、複数の加齢関連の状態とも結びついていたことを示しています。

ラパマイシンを使った研究との比較

マウスの寿命を延ばす研究では、別の仕組みを標的にしたラパマイシンの実験もあります。2009年の研究では、600日齢から餌にラパマイシンを加えたところ、90%の個体が死亡する年齢を基準にした寿命の延長は、雌で14%、雄で9%でした。

2016年の研究は、中年期のマウスにラパマイシンを3カ月間投与しました。雄では投与終了後の平均余命が60%延び、出生時からの中央値で見た寿命は16%延びました。

AEP阻害の17%は、18カ月齢から投与したマウスの平均寿命についての数値です。ラパマイシンの研究では開始年齢や投与期間、寿命の算出方法がそれぞれ異なり、報告された延長率にも幅があります。

作用の仕組みと今後の検証

AEPの活性を抑えることで寿命や健康状態に変化が生じた理由は、まだ研究段階です。研究チームは、過剰に働くAEPが細胞を保護するタンパク質を損なう可能性を考えています。この仕組みの検証は今後の課題です。

実験中にはマウスの食事量にばらつきがあり、摂取カロリーの変化が結果の一部に関係した可能性も挙げられています。AEP阻害の経路が寿命や健康状態の変化にどの程度必要なのかを調べるため、因果関係を検証する研究も求められています。

今回の実験は少数のマウスを対象としており、同じ効果が人にも現れるかは今後の研究課題です。AEPには身体の機能を支える役割もあるため、長期的な安全性の評価も必要になります。マウスでは重大な副作用は確認されませんでした。