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12カ月の共同開発で製品化を目指す

バイエルとブラジルのバイオ企業IdeeLabは、農業用の生物由来病害防除製品を開発するため、12カ月間の研究開発パートナーシップを結びました。両社は開発工程全体で協力し、バイオ殺菌剤の製品化を目指します。

IdeeLabは、微生物を使った農業資材の開発・製造を支援する企業です。ブラジルに研究開発施設を持ち、微生物を製品化するための工程設計を担うほか、効果や保存期間などを調べます。

IdeeLabが持つ候補のうち3つは、すでにブラジルで圃場試験に入っています。両社は提携期間の終了後に成果を示し、製品化を目指す計画です。登録や追加の圃場試験、研究を含む市場投入に向けた協力も想定されています。

ブラジルの作物が抱える病害

ブラジルでは、ダイズの収量に影響するアジアさび病、白絹病、ターゲットスポット病のほか、キャッサバの魔女のほうき病やコーヒーのさび病などが作物の病害として挙げられています。

両社は、今回の開発で対象にする病原菌や作物を公表していません。ブラジルではトウモロコシやダイズなどの畑作物で生物由来の防除資材が使われており、今回の製品も同国の農業に合わせて検討されます。

IdeeLabは、熱帯地域の病害虫や農業向けに選んだ独自の微生物コレクションを持ちます。地域の農業に存在する細菌、微生物、代謝物などを研究開発に用い、現地に合わせた製品候補の評価につなげます。

微生物が病原菌を抑える仕組み

微生物を使うバイオ殺菌剤は、特定の細菌や菌類の生きた細胞を有効成分とする製品です。微生物が植物の表面や周辺の土壌を先に占め、病原菌と空間や栄養を取り合うことで、病原菌の定着や増殖を妨げます。

微生物が作る代謝物によって、病原菌の成長や拡散を抑える仕組みもあります。また、病原菌に寄生したり、酵素を分泌して細胞壁を分解したりする微生物もあります。

さらに、微生物が植物の防御反応を促す場合があります。生物的防除に使う微生物には、病原菌に直接作用するものだけでなく、植物側の抵抗性を誘導するものも含まれます。こうした作用の強さは、微生物の種類や植物の品種などによって異なります。

化学殺菌剤との併用と製品化の課題

生物的防除は圃場の環境条件などによって効果が変わり、化学殺菌剤より病害を抑える力が弱い場合もあります。そのため、バイオ殺菌剤は化学殺菌剤の代替だけでなく、農場全体の病害管理に組み込む手段として扱われています。

作用の異なる生物的防除剤と化学殺菌剤を組み合わせると、化学殺菌剤の使用量や散布頻度を抑え、病原菌が薬剤耐性を獲得する選択圧を下げられる可能性があります。ただし、両者の相性は混合して使うか、時期を分けて使うかによって異なります。散布時期や回数などの検討も必要です。

バイオ殺菌剤の効果には、微生物の種類だけでなく、製造や製剤化、散布方法も関わります。圃場条件によって効果が一定しないことや、登録手続きが生物的防除剤の製品化に向けた課題です。IdeeLabは効果や保存期間の評価に加え、ラテンアメリカでの規制対応や現地パートナーとの連携にも協力します。