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好奇心が、日常をおもしろくする

生き物

バイエルとIdeeLab、ブラジルでバイオ殺菌剤を共同開発

バイエルとブラジルのバイオ企業IdeeLabは、農業用の生物由来病害防除製品を開発するため、12カ月間の研究開発パートナーシップを結びました。両社は開発工程全体で協力し、バイオ殺菌剤の製品化を目指します。

高脂肪食を与えた若齢雌マウスで海馬の可塑性が高まる

若齢期に高脂肪食を5週間与えた雌マウスでは、学習や記憶に関わる海馬の神経細胞間の結合が、電気刺激後により強くなりました。行動課題では、覚えた場所が変わった際に古い場所へ戻る回数が少なく、学習した行動を切り替えやすい傾向も見られました。高脂肪食が脳機能を一律に低下させるとは限らず、摂取初期に異なる反応が生じる可能性を示す結果です。

タイで約1億2,000万年前の肉食恐竜の足跡6個を確認

タイ東北部のプー・プラ・バット周辺で、約1億2,000万年前の肉食恐竜の足跡が6個確認されました。観光客のピチャイ・プラテーサナーさんが足跡を見つけてFacebookに写真を投稿し、それをきっかけに調査が始まりました。

ブラジルの恐竜化石でヘム由来の痕跡、赤血球かは議論続く

ブラジルで見つかった約1億1500万年前の小型獣脚類「アラタサウルス・ムゼウナシオナリ」の脚の骨から、赤血球に似た構造と、血液に関係する化学物質の痕跡が報告されました。研究チームは、ヘム由来の分子と構造の位置や形を組み合わせ、恐竜の血液細胞が鉱物化した可能性を示しています。

AEP阻害薬を与えたマウス、平均寿命が17%延長

中国の研究チームは、老齢マウスに酵素AEPの働きを抑える薬剤を与え、平均寿命が対照群より17%延びたと報告しました。投与群では記憶や運動能力などにも改善が見られましたが、今回の実験はマウスを対象としています。

知能と集団内の地位、課題解決を介した結び付きが実験で示される

ノルウェーの大学生を対象にした実験では、認知能力テストの得点が高い人ほど、集団の計画課題でより良い解決策を出し、相手から高い敬意や評価を受けました。課題の成績を考慮すると、知能と地位の結び付きはほぼ消えました。知能は課題の成績を通じて地位と結び付くパターンが見られました。

タツノオトシゴ似の豪州産魚3種、独立した新属に分類

タツノオトシゴに似たオーストラリア南部の魚3種が、タツノオトシゴとは別の進化系統に属することが分かりました。骨格と遺伝情報の分析に基づき、新属「Australyichthys(オーストラリイクティス)」に分類されました。生きた個体は確認されていませんが、これらの魚は絶滅したと判断されたのではなく、今後の調査対象とされています。

マイクロプラスチックの形状と曝露期間がニジマスのIHN死亡率に影響

ニジマスを使った研究で、マイクロプラスチックの形状とウイルスにさらされる前後の期間が、感染症の重症度に関係することが示されました。感染性造血器壊死ウイルス(IHNV)にマイクロファイバーを組み合わせた魚では、球状のマイクロプラスチックを組み合わせた魚や、ウイルスだけにさらした魚より死亡率が有意に高くなりました。

新種のアメーバが63℃で分裂、真核生物の増殖温度の上限を更新

カリフォルニア州の温泉から見つかった新種のアメーバが、63℃で分裂し、64℃まで運動することが確認されました。真核生物が増殖できる温度の上限を引き上げる発見で、高温環境で細胞の機能を保つ仕組みを調べる手がかりにもなります。

野生トマトのセスキテルペン導入だけでは害虫抵抗性を再現できず

野生トマト由来のセスキテルペンを栽培トマトに導入したところ、葉の毛状器官に含まれる化合物は増えましたが、吸汁性害虫への抵抗性は得られませんでした。研究チームは、抵抗性には化学成分の合成を担う遺伝子群以外の遺伝的要素も必要だと結論づけています。

古代DNA解析で「絶滅した巨大ツル」は現生ナベヅルと判明

ヨーロッパで2万年以上前に生息したとされる大型のツルは、絶滅した別種ではなく、現生のナベヅルの大型個体だったとする研究結果が発表されました。19世紀に「グルス・プリミゲニア」と名付けられた骨の正体を、古代DNA解析で見直しました。

病気の流行を経験したサルは汚染に見える餌を避ける傾向

2020年、米テキサス州の霊長類保護施設で、日本ザルの一部にサル免疫不全ウイルス(SRV)による感染が確認されました。発症した個体や仲間の病気を目にした個体がいる群れは、汚染を思わせる見た目の餌を、流行を経験していない群れより避ける傾向を示しました。

タスマニア南方の海山に最大280万匹の深海ウナギが集結

タスマニア南方のパティエンス海山では、バスケットウナギが季節的に集まり、最大約280万匹に達すると推定されました。この研究では、海山周辺に集まる魚の規模と産卵との関係を調べ、集まりを一年の大半にわたって確認しています。

AI設計の遺伝子編集ツールで細菌性白葉枯病に強いイネを作製

ミズーリ大学の研究チームは、AIが設計した遺伝子編集ツールを使い、細菌性白葉枯病に抵抗性を持つイネを作製しました。この病気は収量や品質を損ない、アジアやアフリカの一部地域では収穫や農家の生計を脅かしています。

野生ボノボの10年観察、雌が獲物の捕獲で大きな役割

コンゴ民主共和国のルイコタレで、野生ボノボ2群の狩猟行動を約10年間観察した研究が発表されました。記録された415件の捕獲では、雌が多くの獲物を捕らえ、地上性の有蹄類と樹上性の霊長類の両方が主な獲物でした。

「霊芝」と欧州産G. lucidumを区別 245年ぶりに基準標本を指定

欧州産のキノコGanoderma lucidum(G. lucidum)に、245年ぶりにDNA解析が可能な基準標本が定められました。研究では、薬用キノコとして知られる東アジアのG. lingzhiとは別種であることを確認し、G. lucidumの英名として「False Lingzhi」を提案しています。分類の基準が整ったことで、両種の取り違えや、種名に基づく研究データの混同を見直す手がかりになります。

小人幻視を起こすキノコ、DNA解析で中国とフィリピンの種を特定

中国南西部とフィリピン北部で報告されてきた「小人幻視」に、キノコの一種ランマオア・アジアティカ(Lanmaoa asiatica)が関与するとDNA解析で特定されました。このキノコから既知の幻覚性成分は見つかっておらず、研究チームは未特定の化合物が関係している可能性を調べています。人の姿が見える幻覚を比較的安定して引き起こすとされる点は、脳が視覚を形づくる仕組みを調べる手掛かりになり得ます。

チンパンジーの内在性ウイルス配列が脳発達に関わるRNAを抑制

ヒトとチンパンジーの脳の違いに関わる仕組みとして、チンパンジーのゲノムに残る古代のレトロウイルス配列が、脳の発達に関係するRNAの働きを抑えることが示されました。研究チームはこの配列を、幹細胞から作った細胞や脳オルガノイドで調べ、遺伝子の働きと神経細胞の成熟への影響を検証しました。

AIがマッコウクジラの8〜10回のクリック列から採餌潜水を予測

マッコウクジラのクリック列を調べるAI研究では、8〜10回のクリック列を手掛かりに採餌潜水を予測します。クリックの並びと行動の結び付きは、クジラの音声に行動情報が含まれる可能性を調べる手掛かりになります。ただし、行動を予測できることと、クジラが行動について意味を伝えていることは別の問いです。

猫1,305匹の調査、ヴィーガン食群で過体重の割合が低い傾向

猫1,305匹を対象にした横断調査で、ヴィーガン食を1年以上続けた猫は、肉を使った食事の猫より過体重と判定される割合が低い傾向を示しました。ただし、差は統計的に有意ではなく、研究チームは探索的な結果として慎重に解釈するよう求めています。

メキシコ湾の深海生物、Deepwater Horizon事故後も10年以上減少続く

メキシコ湾の深海域では、2010年のDeepwater Horizon事故後、魚類や甲殻類、頭足類の個体数が大きく減り、その状態が10年以上続いています。2011年から2015年までの約3年半に、分類群によって個体数は60〜85%減少しました。研究チームは、地球最大の生態系タイプで報告された動物相の減少のうち、最も速く深刻な例だと位置づけています。

細胞を短時間圧縮するCRISPRa手法、マウス皮膚細胞の神経細胞化率を約40%に

UCLAの研究チームは、皮膚細胞を短時間圧縮してDNAを開きやすくし、CRISPRaで遺伝子を活性化する手法を開発しました。マウス細胞では、事前に細胞を準備する工程を加えると、ニューロンになった細胞の割合が約40%に上がりました。この手法は、細胞の種類を変える研究や薬剤試験への応用が考えられます。今回の結果はマウス細胞で得られました。

光で泳ぐ薄膜ロボット、MITが生きた筋細胞で実証

MITの技術者らは、生きた骨格筋細胞を動力にして水中を進む薄膜型の小型ロボットを開発しました。細胞に光を当ててひれを動かし、進行方向と速度を制御します。細胞の配列や土台となるゲルを調整し、筋肉の収縮で推進力を生み出しました。

軍用犬開発のWarhound、2億ドル(約310億円)を調達 遺伝子編集と装備の開発へ

軍用犬などの開発を目指す米スタートアップWarhoundが、1億2,000万ドル(約190億円)の企業評価額で2億ドル(約310億円)を調達し、事業を公表しました。出資者にはIn-Q-Tel、Sequoia、8VCが含まれます。同社は、爆発物の探知や捜索など、人間には危険で機械では難しい任務を想定しています。

白亜紀のヘビ化石、地中生活を示す頭蓋と内耳の特徴

ブラジルで見つかった約8,000万年前のヘビの化石から、地中生活への適応を示す頭蓋骨や内耳の特徴が確認されました。別の初期ヘビ化石との比較から、白亜紀にはすでに異なる環境に適応したヘビがいたことが分かります。現生ヘビの起源を一つの生息環境に結びつけるのは容易ではありません。

南アフリカで約200万年前の成人ホモ・エレクトス化石を確認

南アフリカのドリモレン洞窟で見つかった化石から、ホモ・エレクトスが約200万年前に同地にいたことを示す証拠が加わりました。新たに記載された成人の頭骨片は、同種が南部アフリカに現れた時期を従来の見方より約20万年さかのぼらせます。

茶の低温耐性に関わる遺伝子CsOG3、CsMYB44が発現を促進

茶の低温耐性に関わる遺伝子CsOG3の働きと、その発現を促す転写因子CsMYB44との関係が明らかになりました。茶の苗でCsOG3の働きを抑えると低温耐性が下がり、茶とタバコで過剰発現させると耐性が高まりました。

ロン・ウォレス氏のカボチャ、重量1,431.5キロで世界記録を更新

米ロードアイランド州のロン・ウォレス氏が育てたカボチャが、2026年10月10日の計量会で1,431.5キロを記録しました。カボチャとして初めて1,360キロを超え、ギネス世界記録の「最も重いカボチャ」に認定されています。前の記録を約1週間で更新し、果実全体でも初めて1,360キロを超えました。

植物の電気信号を読むAI、Electric Plantが1,120万ドル(約18億円)を調達

Electric Plantは、植物の茎を流れる電気信号を読み取り、植物の状態を栽培者に伝えるセンサーとAIモデルを開発しています。同社はシードラウンドで1,120万ドル(約18億円)を調達しました。植物の電気信号は環境への反応や生理状態に関わり、同社はその解析を農業や林業での活用につなげようとしています。

老化する脳は記憶の細部より経験の意味を重視する可能性

年齢を重ねると、出来事の細部を思い出す力が変化する一方、経験を結び付けて大きな意味を捉える働きが強まる可能性があります。アリゾナ大学の研究者らは、この変化を単なる衰えではなく、脳が人生の段階に応じて記憶の使い方を変える「適応的老化仮説」として提案しました。

空腹時のショウジョウバエでオクトパミン神経が酒の記憶と選好に関与

空腹のショウジョウバエは、特定の匂いとエタノールを結び付ける学習が速くなります。この変化には、空腹時に働く神経細胞が関与します。研究では、昆虫の神経伝達物質オクトパミンが、エタノールを報酬として記憶する回路に影響することが示されました。この仕組みは、空腹などの状態が環境中の手掛かりと飲酒欲求の結び付きにどう関わるかを調べる手掛かりになります。

ベーリング海の交雑ガニが過去平均の13.4倍に 海洋熱波後のズワイガニ減少が影響

2018〜2019年の海洋熱波後、ベーリング海でズワイガニとタラバガニ(Tanner crab)の交雑個体が急増し、2025年には過去平均の13.4倍に達しました。研究チームは、熱波によるズワイガニの減少で競争や捕食が弱まり、交雑個体が増えたと分析しています。交雑個体は漁獲枠の管理対象に十分組み込まれておらず、資源回復と漁業管理の両面で課題になっています。

小笠原のカメムシ、遺伝解析で2種に分類 母島の個体を新種と記載

小笠原諸島に生息するカメムシの仲間「Omoplax desecta」は、ゲノム全体にわたるDNA解析などから2種に分かれることが分かり、母島群の個体は新種「Omoplax sandoru」として記載されました。52個体の解析で島群ごとの遺伝的な違いが見つかり、雄の交尾器にも形態差が確認されています。

南アフリカで農薬代替を模索、農場労働者の健康と環境への影響が焦点

農薬散布の影響を受けやすい農場労働者や周辺住民の健康を守るため、南アフリカでは化学農薬に代わる害虫対策が議論されています。候補には、微生物などを使う生物農薬や、害虫の遺伝子の働きを妨げるRNA干渉(RNAi)スプレーがあります。安全性の評価や承認手続きには課題が残っています。

TIMP2の補充で高齢マウスの脳免疫細胞の働きが改善

若い時期に多いタンパク質として知られるTIMP2を高齢マウスに補充すると、脳の免疫細胞ミクログリアが細胞の残骸を取り除く能力が高まり、炎症に関連する分子の兆候も減りました。この結果は、加齢に伴う脳の変化を調べるうえで、血液中の因子が脳内の免疫機能に関わる可能性を示しています。

スタンフォード大、蛍光標識なしで生細胞を観察する顕微鏡を開発

スタンフォード大学の研究チームは、蛍光標識を使わずに生きた細胞内の構造を観察する顕微鏡「iISM」を開発しました。横方向の解像度は約120ナノメートルで、細胞内の動きを捉えられます。従来の共焦点顕微鏡より照明光を抑えられるため、蛍光顕微鏡の分子特異性と組み合わせ、細胞を長時間観察する研究への活用が見込まれています。

シャコの赤感受性ロドプシン3種、600ナノメートル超の光を吸収

カリブ海産のシャコの眼から調べた17種類のロドプシンのうち、3種類が600ナノメートルを超える光を吸収することが分かりました。研究では、光を受けた後に性質が変わり、別の波長の光で元に戻る「可逆性」も確認されました。色素フィルターと複数のロドプシンが組み合わさり、シャコの眼の幅広い波長への感度を支えています。

脳の前方と後方、発生初期に別々の前駆細胞から形成

脳は一つの器官として働きますが、発生初期には前方と後方が別々の細胞集団から作られることを示す研究が発表されました。マウス胚とヒト幹細胞を使った実験では、前脳・中脳と後脳の細胞が異なる発生経路をたどり、後脳の運動ニューロンを培養下で作ることにも成功しました。

北米の猫15万7616匹を調査、ジアルジア検出率は6.3%

米国とカナダの飼い猫から集めた15万7616件の便検体を調べた研究では、原虫の一種「ジアルジア・デュオデナリス」が6.3%から検出されました。検出された猫のうち18.5%では、人にも感染する可能性がある遺伝的グループAまたはBが確認されました。

カタツムリの殻の巻き方向、遺伝子と胚の初期分裂が鍵に

淡水産のカタツムリ、モノアラガイでは、殻の巻き方向に遺伝子「Lsdia1」が関わっています。研究チームはゲノム編集技術CRISPRでこの遺伝子を変異させ、機能しなくなると左巻きの子が生まれることを確かめました。

コスタリカ沖で新サンゴ科「Laurinqueidae」を確認、低酸素の深海に群落形成

東部熱帯太平洋のコスタリカ沖で、金色の樹木のような姿をした八放サンゴ「Laurinque elenya」が確認されました。既知のサンゴ科に分類できない特徴を持ち、新たな科「Laurinqueidae」が設立されました。このサンゴは酸素濃度が極めて低い海域で群落をつくり、海底の生物に立体的な生息場所を提供しています。

雑草のジカンバ耐性は植物種と生育環境で異なる

農地周辺の雑草9種を調べた実験で、除草剤ジカンバの低濃度の飛散に対する反応は、植物種だけでなく生育環境によっても異なりました。短期的な成長への影響が小さい植物ほど、花の生産や種子形成への影響も小さくなる傾向が示されています。

アホロートル、暗闇でも大きな通り穴を選ぶ

メキシコサンショウウオ(通称アホロートル)は、通り抜ける穴の大きさを見分け、暗闇でも大きい穴を選ぶ傾向を示しました。24匹の幼体を使った実験では、解析対象の22匹すべてに、大きい穴を選ぶ統計的に有意な偏りが見られました。この結果が示すのは穴の大きさを見分ける能力であり、数を数えたり数学的に考えたりする能力ではありません。

Colossal、ドードーの遺伝子編集候補を探すAI「GenoMorph」を発表

Colossal Biosciencesは、絶滅したドードーの特徴に関わる遺伝子編集候補を探すAIプラットフォーム「GenoMorph」を発表しました。くちばしや頭蓋骨の形に関係する調節DNAを絞り込み、実験で検証する対象として約2,300の候補を挙げています。Colossalは、古代DNAの情報が限られる種の研究を進める手段と位置づけています。

南極のアデリーペンギン大量死、主因は鳥コレラと判明

2024年3月、南極のデンジャー諸島で見つかった数千羽のアデリーペンギンの死因は、鳥インフルエンザではなく、鳥コレラが中心だったとする研究結果が公表されました。調査した49個体のうち46個体から原因菌が検出され、H5N1が確認されたのは少数でした。H5N1の監視が続く地域で、別の感染症も野生鳥類の大量死に関わる事例です。

健康なサンゴとの接触で白化から回復、共生藻の移送を確認

高水温などで褐虫藻と呼ばれる共生藻を失ったサンゴが、健康なサンゴに触れて共生藻を受け取り、数週間で回復することが実験で確認されました。組織の融合でできる通路を通じて藻が移る仕組みは、白化後のサンゴを回復させる方法の研究につながる可能性があります。

ビクトリア州で遊漁者が釣った太平洋クロマグロを遺伝子検査で確認

2026年7月、豪州ビクトリア州沖で釣られた2匹の大型マグロが、遺伝子検査で太平洋クロマグロと確認されました。遊漁者が同州で太平洋クロマグロを確認したのは初めてです。外見のよく似たミナミマグロとの判別には遺伝子分析が役立ち、釣った人たちと研究者の連携が記録につながりました。

乳幼児期の腸内細菌叢と脳の発達、関連を検証する研究が進む

妊娠中から2歳ごろまでに形づくられる腸内細菌叢と脳の発達との関係を調べる研究が進んでいます。腸内細菌叢は免疫や代謝に関わるほか、神経の発達に影響する信号を伝える経路にもなり得ます。自閉スペクトラム症などとの因果関係は確立しておらず、研究者は大規模な検証が必要だとしています。

ClimateCrop、葉のデンプン蓄積を増やす技術を複数作物で検証

ClimateCropは、植物が葉に蓄えるデンプンを増やす遺伝子改変技術を開発し、バナナ、ジャガイモ、トマトなどで効果を調べています。葉に蓄えたデンプンは、夜間やストレス時に糖へ戻され、植物のエネルギー源になります。同社は蓄積量を増やし、生育やストレスからの回復を支えて収量向上につなげることを目指しています。

CRISPR、遺伝子治療から牛のメタン削減研究まで応用広がる

CRISPRは、狙った遺伝子を編集する技術です。開発に携わったジェニファー・ダウドナ氏は、2012年の共同発明後、この技術が病気の治療や議論を呼ぶ問題に加え、健康や気候の課題にも使われるようになったと振り返っています。

頭足類の複雑な神経系に、DNAの立体配置と遺伝子制御の変化が関与か

タコやイカ、コウイカの複雑な神経系の進化には、遺伝子の配列だけでなく、細胞内でDNAが折りたたまれる立体構造も関わった可能性があります。ウィーン大学などの研究チームは、頭足類の祖先で起きた大規模なゲノム再編成によって、離れていたDNA領域が接触し、新たな遺伝子制御のつながりが生じたとする研究を発表しました。ただし、この変化が知能を直接生み出したと結論づけた研究ではありません。

オートファジーは加齢で一律に低下せず、細胞や性別で変化

加齢に伴って細胞のリサイクル機能「オートファジー」が一律に低下するとは限らず、細胞の種類や性別によって変化の仕方が異なることが、健康な成人を対象にした研究で示されました。70歳を超える成人では、オートファジー活性が高いほど身体機能が低いことと関連し、5人が参加した運動介入では、活性の低下と身体機能の改善が並行して観察されました。

腸内細菌を考慮したモデル、高繊維食でのカロリー吸収差を推定

腸内細菌が食物を分解して生む物質も、体が食事から得るエネルギーの一部になります。アリゾナ州立大学の研究チームが開発した数理モデル「DAMM」は、消化管内での吸収と腸内細菌の代謝を合わせて計算し、従来の方法より実測値に近い推定を示しました。管理された食事試験では、高繊維食の参加者は一般的な欧米型の食事を取った参加者より、1日あたり約116キロカロリー少なく吸収していました。

80歳の血液前駆細胞から分子年齢20歳未満の神経幹細胞を作製

ボン大学とボン大学病院などの研究チームは、80歳の人から採取した血液の前駆細胞を神経幹細胞へ直接変換しました。得られた細胞のエピジェネティック年齢は20歳未満と測定され、細胞の種類を変える過程で分子レベルの若返りも起きました。

森林の音で生物多様性を測るズザナ・ブジヴァロヴァ氏、2026年プリツカー環境賞を受賞

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の環境・持続可能性研究所は10月8日、森林の音を使って生物多様性を調べる研究者、ズザナ・ブジヴァロヴァ氏に「プリツカー新進環境リーダー賞」を授与しました。ブジヴァロヴァ氏は2026年の受賞者で、同賞は今回で10回目となります。

豪州マーチソン地域、冬の多雨で野生花が広がる

西オーストラリア州の乾燥地帯では、2026年の冬に野生花が広がり、通常は赤茶色に見える土地が緑や花の色で覆われました。NASAの衛星画像は、前年の同じ時期と比べて植生が増えた様子を捉えています。地元の専門家は、約20年ぶりの規模の開花となる可能性があるとみています。

スリナムヒキガエル、指先の感覚器で獲物の水の動きを捉える

スリナムヒキガエルの指先には、水の動きを感じ取る小さな感覚構造が並び、獲物に触れる前の吸い込み捕食を支えています。研究では、指先が脳の感覚処理領域でも大きく表現されることが示されました。カエルやヘビ、ウミガメなどは、人には直接感じられない情報も利用して周囲を捉えています。

風車の翼1枚を黒く塗装、スペインの実験で鳥の死亡率が約74%減

スペイン南部カディス県のエル・ルエド風力発電所で風車の翼1枚を黒く塗ったところ、塗装した風車の鳥の年間死亡率は、白い翼の風車と比べて約74%低くなりました。風車の回転翼を鳥が認識しにくくなる問題に対し、翼の色を変える方法を長期間の現地調査で検証しました。

セーシェルのアルダブラゾウガメ、推定約18万3000頭に

セーシェルのアルダブラ環礁に生息するアルダブラゾウガメは、約18万頭と推定されました。調査期間中の推定値は約18万3000頭で、同国の人口を上回ります。19世紀に1000頭未満まで減少した個体群が、過去最大の規模に達したことを示す結果です。

沖縄のスズメダイ、都市化沿岸で栄養状態と慢性ストレスの遺伝子発現

沖縄本島の沿岸18地点でルリスズメダイを調べた研究では、都市化した場所の魚に、餌を十分に得ている状態と慢性的な生理的ストレスの両方に関連する遺伝子発現が見られました。魚が多く生息していても、外見だけでは個体の健康状態が分からない可能性があります。

タイ北部の花から菌類16新種を発見、5つの遺伝子領域で近縁種を識別

タイのチェンマイ大学とカセサート大学の研究チームは、タイ北部の庭や野生の花から、アウレオバシディウム属の菌類16新種を発見しました。 既知の5種も見つかり、そのうち4種はタイで初の記録です。 外見のよく似た菌を区別するため、研究チームは5つの遺伝子領域のDNA解析に、顕微鏡観察や生育試験を組み合わせました。

豪州の30年森林実験、間伐区で大径木と炭素貯留を確認

オーストラリア・ビクトリア州のマウンテンアッシュ林で、伐採方法を比べる長期実験の約30年後の状態が調べられました。強度の高い間伐を行った区画では、残った木が大きく成長し、木に蓄えられた炭素量は未伐採区と同程度か、それを上回りました。

X線解析で再分類、ウェストロシアナは爬虫類ではなく初期の四肢動物

約3億4500万年前の化石ウェストロシアナは、長く最古級の爬虫類と考えられてきました。頭骨を強力なX線で調べた研究チームは、エラの骨や水中での採餌に適した口の構造を確認し、爬虫類ではなく、より古い四肢動物の系統に位置づけました。この再分類は、陸上生活に適した体の特徴が、水中や水辺で暮らす動物にも先行して現れていたことを示します。

アオウミガメは世界全体で「低懸念」へ、地域個体群には減少も

アオウミガメは2025年、国際自然保護連合(IUCN)の評価で、世界全体の絶滅リスクが「絶滅危惧」から「低懸念」へ変わりました。一方、野生動物の追跡個体群を対象にした別の指標では、1970年から2022年までに平均73%の減少が報告されています。二つの評価は対象も意味も異なり、アオウミガメの回復と生物多様性全体の減少が同時に起きています。

植物の振動を記録して茎の中の害虫を探す「Insect Eavesdropper」

カンザス州立大学の研究チームは、大豆の茎に潜る害虫を探すため、植物の振動を記録する装置「Insect Eavesdropper」を大豆畑などで試しています。昆虫の活動を音響データから捉え、目視では見つけにくい段階で調査につなげることを目指す研究です。

イタリア・ボロターナで70歳女性の長寿傾向、研究は新たな候補地と位置づけ

イタリア・サルデーニャ島の山あいにあるボロターナで、70歳を迎えた女性が100歳まで生きる確率は13.83%と推定されました。研究チームは、人口記録を分析し、この町を「長寿ブルーゾーン」の候補地としました。ただし、推定値は調査期間によって大きく変わっています。

マウスの運動記憶は海馬なしでも睡眠中に再生される

マウスでは、運動技能に関わる神経活動が睡眠中に再現され、海馬がなくてもリプレイが起きることが示されました。手続き記憶の定着には海馬が全般的に指令を出すという見方に対し、脳内の異なる記憶回路が独立して活動する可能性を示す研究です。

アタカマ砂漠で約880万年前のカピバラの歯を発見、湿潤な水辺環境を示す

チリ北部のアタカマ砂漠で、約880万年前のカピバラの仲間「カルディアテリウム」の歯が見つかりました。半水生の動物が暮らしていたことに加え、植物や地質の証拠も、後期中新世のこの地域に淡水と水辺の生態系があったことを示しています。この発見は、現在のアタカマ砂漠が長期間にわたって一貫して超乾燥だったという見方に疑問を投げかけています。

犬894匹のDNA解析で大型犬とオスの分子老化が速い傾向

犬894匹の血液由来DNAを調べた研究で、大型犬とオスでは分子レベルの老化が速い傾向が見つかりました。体の大きさに関連する変化は、遺伝子の働きを調節するDNAメチル化のうち、動き回る性質を持つDNA配列「トランスポゾン」に目立ちました。

エルニーニョ下の火災、ボルネオオランウータンの生息地を脅かす

インドネシアで続く森林火災が、絶滅危惧種のボルネオオランウータンの生息地を脅かしています。火災は主要な生息地を含む森林や保護区にも広がっており、救助活動に加えて、泥炭地の再湿潤化や地域住民による予防活動の継続が求められています。

バンコクの市場で中南米産の野生動物が増加、取引網と感染症リスクに懸念

タイ・バンコクのチャトチャック市場では、マーモセットやカピバラなど中南米産の野生動物が以前より多く見られるようになっています。動物は南米から複数の経由地を通って運ばれ、売買にはSNSも関わっています。過密な市場で異なる動物が近接して売られる状況は、人への感染症リスクとも関係します。

太平洋の深海底で1万1742種のウイルスを確認、金属ストレスとの関係も分析

太平洋のクラリオン・クリッパートン海域の海底堆積物から、1万1742種のウイルスが確認されました。研究チームは、その大半が既存の参照データベースに登録されていないウイルス群であり、宿主となる微生物の代謝や金属ストレスへの適応に関わる可能性を報告しました。深海採掘の影響を調べるための生態系の基準情報となる研究です。

シベリアでヤクに近縁の未知のウシ科動物、古代DNAから系統判明

シベリア南部で見つかった骨片の古代DNAから、現生ヤクに近縁でありながら、異なる進化をたどった絶滅ウシ科動物の系統が明らかになりました。研究チームは20個の古代ゲノムを比較し、ヤクとの分岐が約40万年前に始まり、約25万年前に完全に分かれたと推定しています。